9 そうしている姿が、もう限界点を突破しそうだ。 把握したところを下から突いてやる。 「っ、此処が好きなんだろ…?」 「ぁ、ひゃぅ…っ!やッ、やあぁ…!やだ、しないで…っ」 「嘘ばっかり。して欲しいくせに」 「そ、な…ことなぃい…っひぁあッあっ…っ!」 ぎゅう、と抱き付いてくる楓。 鎖骨に幾つか痕を付けると、自分の所有物のように見えて嬉しく思う。其の小さな動作ですら、楓には快楽になるらしい。 突き上げる間にも、楓の腰は揺れたままだ。 「…、強情…っ」 なんとしても、淫らな言葉を言わせてみたい。 何処からそんな余裕がくるのか分からないが、俺はぼんやり思った。 ゆっくり楓を後ろに倒すと、動きもせず見下ろす。 「…っ…呉真……?」 「なに?」 「…変態野郎……っ」 魂胆が伝わったらしい。 俺はオモチャを見つけた子供のようにニヤニヤ笑う。 「して欲しいなら、誘って」 「…、どうやって……」 「んー…じゃあ…、『私のお尻をぐちゃぐちゃに犯して下さい』かな」 「…ッな…!い、いやだ…!」 「やだ?…へぇ、別にいいよ俺は。ずっとこのままでも」 …一応言っておくが、このままで良いことはまったくない。そんなことは良く考えなくても分かることだろうが、判断力すら低下しているようだ。 「…、う……わ、わたし、の…」 「うん」 視線は、故意に俺から反らされる。 ああ、自尊心を傷付けてまで俺に尽くす不思議。きっと俺が思ってる以上に、彼は好いてくれているのかもしれない。 「おしり…、ぐちゃぐちゃ、に…」 「うん」 「…っ、お…かし、て…っくださ…ッ」 此の綺麗な顔の人が、卑猥なことを言う。 其れだけで、もう。 「…、御望み通りに」 「んぁッ!やっ、あ…!」 ぐりぐり、奥をえぐってやる。 酷くしたいわけじゃないが、俺は此処までの観察で分かったことがある。 たぶん、楓は酷くされるのが好きだと思う。 「ぁ、んぁっ、ぁあッ!や、だめッそこいや…っああ…!」 「さっき、自分で此処、してたくせに…っ」 「ひぁ、やだぁッあ、ん…ッあぁ…!」 「嘘ばっか吐いちゃ駄目だろ、俺のこと好きっていうのも嘘?」 「あ、ぁっ!ち、ちが…っう、ぁ、ん…ッ!」 あ、良かった。 すぐ否定してくれた。 勢いに任せて意地悪言ってみたけど、肯定されたらどうしようと思ってた。 こんなにいじめられても、俺のこと好き、って言えるのか。 なんだか、最初からは考えられなくて、俺は此れが幸せってもんだと再確認。 「っ、じゃあ、好き…?」 「…っ好、き…って言ってるだろ、ッあ…!何回も、言わせるな…っ!ばか…!」 「…、はは、…っ、そうですね」 ああ、怒られてしまった。でも満更でもないって顔が凄く、いい。 益々、彼を愛してしまう。 「んぁっ、ぁ、もう…っ!ひぁ、あ、出…やっぁあ!」 「ん…っ、」 小刻みに痙攣する楓が欲を放つと同時に、俺も中に精を放った。 [*前へ][次へ#] |