終わらない世界の中で
02
ゴミを捨ててると物凄い音がした。街中で聞こえる筈のない爆音みたいな何かを破壊する音。その中心にいるのは銀の長髪を靡かせた懐かしいアイツと額に青い炎を纏った青年。
急いで傍へ駆け寄り名前を呼ぶ。
『リボーン!』
「蓮丁度いい。コイツらを避難させてくれ」
「蓮君どうしてここに?」
『たまたまな。んなことよりここから離れるぞ!フゥ太達も!』
「うん!」
俺はランボを笹川はイーピンを抱えフゥ太の手を引き兎に角遠くへ走った。やっと着いたのは見慣れた住宅街。沢田や笹川の近所だ。
『はぁ…ここまでくれば大丈夫だろ』
「そうだね、さっきのなんだったんだろ…。あ、蓮君ありがとう。助かったよ」
「蓮兄ありがとう!」
『怪我しなかった?』
「してないよ!ランボとイーピンも」
『良かった。笹川は?』
「私も大丈夫」
『よし、俺戻るから悪いけど三人のこと頼むな』
「…怪我しないでね」
『平気だって。またな!』
往復で走るのって結構疲れる…体力つけなきゃなんて思いながら走ってると先程より街中は荒れていた。
あーあーあーやってるやってる。街ん中なのに派手にやってくれちゃって後片付けや修理は誰がやると思ってんだ。…俺じゃないけど。けどボンゴレの人達がやるんだろうしあんま世話かけない方が…。過ぎたことは仕方ない、今はこの状況をどうにかしなくては。
「やっと来たか。ツナの死ぬ気弾じゃ歯が立たねー。お前なんとかしろ」
『いきなりすぎると思うんだけど…山本と獄寺は?』
「やられた」
即答ー…自分の力量を見誤ったか。同情する余地もないってか。
直ぐ様装備している銃を取り出し目標に向かって数発撃った。
「まだいたのか」
舌打ちが聞こえ視線が合う。
『弱い者苛めて楽しい?スクアーロ』
「あ?誰だてめえ」
あ、デジャヴ。この姿じゃ分からないか…以前彼と会った時は確か黒髪だったから。
『当ててみ』
「知らねーよ!」
話してる最中だってのに構わず刀を振りかざす。避けて良かった。受けていたら刀から出た小型爆弾を正面に食らっていた。
『あっぶな!!何すんだ!』
人の話は最後まで聞けっての。馬鹿かアイツは。
『これだから短気は…』
「んだと!!」
銃口を綺麗に斬られた。スパンッて、綺麗に…え?前より切れ味上がってない?あああ銃が。
「ボケッとしてるとたたっ斬るぞぉ!!」
『やれるもんならどーぞっ』
生憎銃は一丁だけじゃない。ナイフと銃をもう一丁出しナイフを投げ避けた隙に何発も撃つ。
「クソがっ!」
そのうちの一発が肩を掠めた。
「さっきの奴等とは違うな。何者だ…」
『ピエロとでも言っておこうか』
「まさか…本当にこんな奴の護衛してるとわな。落ちぶれたもんだぜ。テメーとやり合ってる暇はねーんだ」
『待て!』
煙り…厄介な。これじゃ何も見えない。
やっと消えたと思えば額の青い炎の青年と沢田に詰め寄っていた。
『相手は俺だろ』
「生憎テメーに用はねぇんだ。用があんのはコイツだ!」
「ひぃっ!!」
スクアーロが睨み付けると沢田は情けない声を出し青い炎の青年は顔を顰めた。今俺に出来ることはなんだ、何か良い方法は…。
「子供相手にムキになって恥ずかしくねーのか?」
なんでディーノがここに。しかもいいタイミングで。
「お前をここでぶっ殺すのも悪くない。だが同盟ファミリーとやり合ったとなると上がうるせえ。今日のとこは大人しく…」
スクアーロにしては珍しい。そう簡単に話を理解してくれる奴だとは思わなかったが。
「帰るわきゃねぇぞぉ!!」
…ああ、やっぱり。
片手で沢田の髪を鷲掴み刀を振り煙幕を出しいつの間にか青年が必死に守っていた四角形の小さい箱を奪い取っていた。
「貴様らに免じてこいつらの命は預けといてやる。だがこいつはいただいてくぜぇ」
「ボンゴレリングが…」
『あ、おい!無茶すんな』
逃げ行くアイツを尚も追い掛けようと立ち上がり蹌踉けた彼を支えた。
「深追いは禁物だぞ」
「リボーン!なんで今頃出てくるんだよ!どーして助けてくれなかったんだ!?」
「俺は奴に攻撃しちゃいけねーことになってるからな」
「何でだよ」
『奴もボンゴレファミリーだからだよ』
「えー!?俺ボンゴレの人に殺されかけたの!?てかなんで一条が!」
「その話は後だ。廃業になった病院を手配した。行くぞ」
沢田が獄寺と山本もと言ったがリボーンが駆けつけた二人に対し「足手纏いになるだけだ。とっとと帰っていいぞ」といい放ち二人を置いて。
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