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終わらない世界の中で
01

信じていた温もりにすら裏切られたら私はどうなるんだろう。



何事もなく週末を迎えた。
やっぱりパソコンがおかしい。一週間前からいきなり接触悪くなるし起動するのも遅かったが終に今日何を押しても反応しなくなった。既にバックアップ取ってあるから困りはしないが依頼が…まあいいか。俺は困らないし。でもウィルスのせいなのか分からないまま。うーん…新しいの必要になるな。


『ん?』

何だこれ。カタンと音を立て玄関に落ちたのは見るからに立派な封筒。宛先や送り主の名前は記されていないが真ん中に書かれたマークに見覚えがあった。確か九代目の便箋だったか。だが生憎イタリア語が読めない。なんせ学校に行ってなかったから。日常会話なら話せるが文字は…苦手だ。筆記体じゃなければある程度読めるのに!
ああどうしよう、なんて書いてあるのか全く読めない。ディーノがいたらいいんだが…彼はイタリアにいる訳でそんな都合よく現れる筈もないし、リボーンに読んでもらうか?…素直に読んでくれるとは思わないが何かしらお土産にエクソプレッソ持ってけば読んでくれそうな気もする。


「よぉ」

グッドタイミング!
ヤバイ、俺強運の持ち主かも。なんで家の場所知ってるのかどうやって入ったのかは敢えて聞かない。

「ツナの護衛頼むぞ」

『え?意味が分から…』

「並盛商店街にいるからな」

自分の要件だけ告げるとリボーンは何処かへ行ってしまった。
前言撤回。ついてない…あー折角の休日が潰れた。元々沢田の護衛が任務だから仕方ないのだが彼は確か補習で学校に行ってる筈だ。…サボったのか。
それにしてもリボーンがわざわざ言いに来るなんて珍しい。今日は何かあるのかこれから起こるのか…行くしかないな。
何もないことを祈って。



『ズー……』

あ、もう全部飲み干した。先程ファーストフードで買ったプラスチックでできた容器のコップの中は氷だけ。
楽な部屋着から至って普通の服装に着替え来たのは先程言われた商店街。日曜日ということで人が多い。人口密度高いガヤガヤしてる場所好きじゃないんだよなぁ…。こう、もっと静かな場所で寛ぎたいっていうのは叶わない願望。
前方では沢田、山本、獄寺、笹川、いつの日か遊んだ子供三人がいた。笹川は私服だが沢田達は制服なので補習サボったのが窺える。
ボーッと見てると山本の肩に乗ってるリボーンと目が合いニヤリと笑われた。

『……』

無意識に飲み物を握り潰していたようで中から出た氷で手が濡れてしまった。危ない危ない、落ち着け自分。

それからというものランボが女性用下着で遊んだりペットショップのペットに混じったりと色々馬鹿やっていて見てて飽きない。途中山本と獄寺とフゥ太は何処かへ行き沢田と笹川とランボ、イーピンの四人が残った。見た感じ子供達に飲み物せがまれたんだろう。自販機で買ってる。
そして椅子に座り沢田と笹川が二人で喋っているが沢田の顔がずっと赤い。遠くから見ても分かるほどに。
好きなのか…青春だなぁ。こんな子がマフィアになるなんて誰が思うだろう。

十代目候補は何の取り柄もない普通よりできの悪い中学生、か。


…頼りないしすぐ死にそう。








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