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終わらない世界の中で
03






『…あの子?』

見た目俺達と同じ歳くらいで右目に眼帯をしてる女の子が立っていた。以前骸が持っていた三叉槍を手にして。髪型は骸に似てる…。

「誰…?」

三叉槍を両手で握り締め俺との距離を縮めようとしない。


『私は敵じゃない』

「女の子…」

「おい!そんな簡単に正体ばらしていいのかよ」

『いつまでも隠し通せるもんじゃないしいいよ。この子なら信用できる』

まだ会って間もないが何故かそう思った。

『私はヒカル。君は?』

「…クローム髑髏」

『クロームね。急で悪いんだけど骸が今どうしてるか、何故君がいるのか…教えてほしい』

「私は…っ」

静かにゆっくりと話始めた。
彼女は交通事故に遇い体の失った臓器を骸の幻術で補い延命していること。三叉槍を触媒とし骸と繋がっていること。


『最後に名前教えて?本当の名前を知りたいな』

「………」

『無理ならいい』

「……凪」

『凪、か。ありがとう』

微笑し礼を言う。頬を赤くしながら彼女も僅かに微笑んだ気がした。

『それじゃ帰るよ』

「あ…待って」

呼び止められ彼女の顔を見ると戸惑っていた。

「骸様が…貴方のこと大切な人って…」

『そう…』

それは私の台詞なんだけどな。

「無理はしないで…」

『それは骸から?それとも君から?』

「私から…」

『分かった、ありがとう』


日射しが照りつける中私は自分のアパートへと歩いた。

今年の夏もまだまだ暑い。





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