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終わらない世界の中で
01



リボーンが先に行った後も暫く屋上に居た。
午後からは更に陽射しが強く空は見れないからグランドとか町並みを缶コーラを飲みながら意味もなくぼーっと眺めてた。
日本は四季があっていいなとか。冬と夏しかないのはつまらない。

このフェンスを飛び越えたら…落ちたら痛いのかなぁなんて馬鹿な事を考えた。
よくドラマや映画等の物語では飛び下りた後の姿は顔が横向きになり綺麗なままだが本当は顔は潰れ内臓が飛び出す。首吊りだってそうだ、時間が経つと口から内臓が出てくるし目玉も飛び出て落ちる。あと汚物も。…グロい。一番綺麗な死に方はやはり安楽死か凍死だと自分は思う。凍死は腐らないし綺麗なまま。生前のままでいられる。永遠ではないが。

俺は死に顔なんて誰にも見られたくないのが本音。だが長生きする気は毛頭ない。
早死にしたいな…但し殉職は嫌だ。マフィア界では汚名を注ぐものだ。死んだ後恥を晒すくらいなら山奥で誰も知らないうちに一思いに死んでしまいたい。

炭酸が抜け温くなったコーラを飲み干した。
そのお陰で余計喉が乾いた気がする。


雲雀のことも心配だが今の私を突き動かすのは骸と犬と千種に会いたい、という気持ちだけだ。


さて、そろそろ行くか。黒曜センターへ。








通りすがりの人に道を訪ねながらなんとか黒曜センターへと辿り着いた。
先ず目に入ったのは行く手を阻む柵。
だがその柵が壊されて…溶けた跡がある。どうしたら溶けるのか教えてほしい。リボーン達の仕業か。他にこんなことする人なんて思い浮かばない!なんて無理矢理な。
にしても酷い有様、娯楽施設だったのが土砂崩れのせいで今じゃ無残な姿に様変わり。草が生え放題だし人が入った形跡は見られないが…大きな獣の足跡を見つけた。周辺の木の幹は深く抉られてきた。恐らくその足跡の動物がやったに違いない。そんな狂暴な動物がどうしてこんなとこにいるんだろう。…あまり考えないようにしよう、全く分かんない。
冷静に物事を考えられないのかも。
行きたくないなんて事言ってられなくなってきた。



歩いてる途中、地面に不審な大きい穴を見つけた。
除き込むと中は空洞になっていて、暗くあまりハッキリとは見えないが少年が縛られ気を失ってきた。
目を凝らしよく見るとなんだか懐かしくなった。
ピョンピョン癖毛が跳ねる髪、体つきは変わってるが絶対犬だ。
久しぶりに見た犬の姿に胸が熱くなる。暫く感傷に浸り思いきって名前を叫んだ。

『犬ー!』

が、反応無し。
完全にのびてる。今の姿を見ても私だと分からないだろうけど責めて声だけでも聞きたかった。
リボーン達にやられたのかな。
助けたいのは山々だが俺には他にやることがある。
…てわけでごめん!

心の中で謝りその場を後にした。









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