終わらない世界の中で
05
綱吉side
廊下を歩いてると蓮の姿が見えた。授業中いなかったのでてっきり帰ったのかと思ったが…。まぁ、俺には関係ない。そのまま隣りを通り過ぎようとした。
『あ、ツナ』
したのだが名前を呼ばれ思わず反応してしまった。久しぶりに聞いた声、何も変わらず以前と同様に話しかけてくれる。それがどんなに嬉しかったか…。
だが自分の口から出たのは冷たい言葉。
「気安く名前で呼ばないで」
『…ごめん。沢田』
何でそんな顔するんだ。悪いのは蓮じゃないか。俺は何も悪くない。なのにどうしてそんな哀しそうな顔…。俺まで哀しくなる。
『山本どこにいるか知らない?』
「知らない」
『そっか、そうだよな…』
「今さら何の用だよ」
『ユニフォーム渡そうと思って』
「何で…蓮がボロボロにしたんじゃないか!」
『…沢田がそう思うならそれで構わない。ありのままの自分の気持ちを信じればいいよ』
その言葉で気持ちが静まった。
「…今の時間なら…」
『え?』
「部活してるから外にいると思う」
『ありがとう』
最後に切なそうに笑った。
『ありのままの自分の気持ちを信じればいい』
その言葉が酷く胸に突き刺さる。
俺は何も間違っていない筈なのにどこかで後悔してる。
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