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終わらない世界の中で
01




朝の陽射しが射し込み、その眩しさで自然と目が覚めた。

『…ん…』

怠い。まだ任務の疲れや気怠さが取れないし寝足りない。あと三時間は余裕で寝れそう。このまま二度寝すると下手すれば半日は寝てしまいそうだ。
時計を見ると時刻は七時。丁度良い。このまま準備すれば間に合うだろう。それほど学校までの距離はない。
…今日は大丈夫だろうか。クラスの連中は…。
でも今の俺は独りじゃない。山本、獄寺、ツナがついてるじゃないか。なのに心の不安は消えなかった。




キーンコーンカーンコーン

『ヤバッ』

間に合うと思ってゆっくりしていたらチャイムがなった。慌てて靴を履き替えバタバタ走りながら教室へ向かった。
教室へ入ると皆が山本の机へ集まり何やら暗い表情で話していた。そのせいか雰囲気も重苦しい。
俺が来たと分かると皆が冷たい目で俺を見る。そん中最初に口を開いたのは獄寺だった。

「有り得ねぇな、お前」

『何がだよ』

意味が分からなく聞き返すが鋭い眼光で睨んだまま。

『それに皆どうしたんだ』

ヤケに静かで怖い。

「どうしたじゃねーだろ!テメーがコイツの…」

「山本のユニフォームをこんなにしたんだろっ!!」

クラスの男にバッと見せられたのはズタズタに切り裂かれた野球部のユニフォーム。これではとても着れない。
…それを、俺がやったって?

『そんなわけ…』

「奏美が見たって言ってんだよ!」

何で彼女が?昨日は休みだった筈。それに俺だって昨日は早退した。そんな事できる訳がない。

「昨日奏美はお前が保健室にいた間に来たんだ」

…来たんだ。それは知らなかった。絶対彼女が犯人だろうに。あ、今微かにこっち見て笑った誰も気づかないが。

『俺は昨日そのまま早退した。だから…』

「わ、私、放課後教室に忘れ物取りに行ったらハサミ持った蓮君がいて…みたら山本君のユニフォーム…それで怖くなって…っ」

「奏美、無理に話さなくてもいい」

「でも私、あの時蓮君を止めてればっ!…止めてればこんな事には……」

泣いてる。一瞬本気で泣いてるのかと思ったが一昨日の出来事を思い出した。これも演技だと思うと相当凄い。

「…最低だな」

山本は俺の衿を掴み吐き捨てると乱暴に扉を開け教室を出て行った。

ツナが怒りに満ちた表情で俺の前に来ると睨み付けられた。

「蓮…山本は試合の為に毎日一生懸命練習してたのに…ユニフォームを…。本当サイテーだよ!!信じてたのに!あの約束は嘘だったの!?」

頬を叩かれた。一瞬何が起こったのか分からなかったが平手打ちされたんだ。段々と痛みが広がりジンジンする。

『…気はすんだ?』

「!」

泣いてしまった。俺が泣かせたのかな。裏切られたと思ってるんだろうけど裏切ってない。『俺は何もやってない』真実を言っても誰も信じないだろうがこれが嘘偽りない真実。









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