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愛は僕等を救わない
02




ヒナタに会ってないなと思い教室をぐるりと見渡し、見つけると直ぐに声を掛けた。

『よっ』

「ソラちゃん。遅いから今日は来ないのかと思ったよ」

『寝坊しちゃって…』

「ふふっ。ソラちゃんらしい」

僕らしい?毎日寝坊してるわけじゃないが…いっか。微笑ましい会話をしてると突然の怒号に自分が怒られてるわけではないのに肩がビクッとした。

「どけ!」

「フン」

聞き覚えのある声だ、朝っぱらから喧嘩かよと思い振り向いた瞬間絶句した。

『………』

ナルトとサスケ君が接吻してる。所謂キスとかいうアレだ、口付け。え?嘘だろ?思わず固まってしまった。固まったのは僕だけじゃないだろう、クラスのみんなも固まっている筈だ。
サッと振り返りヒナタを見たが先程と変わらず笑顔だ。一応聞いてみた。

『見た…?』

「何を?」

この様子だとさっきの…見ていない。

『良かった…』

「どうしたの?何かあったみたいだけど」

『え、あっううん、なんでもない!本当なんでもないから』

良かった、ヒナタは見てなかった。僕があんなの絶対見させないが。

「…そう?」

尚も気になっているヒナタをなんとか言い包めた。タイミング良くイルカ先生も来たので席に着く。

イルカ先生の話を聞きながらナルトを見たがサクラちゃんに殴られ顔面傷だらけ。可哀相に…。どうやらキスしたのは事故で腕がナルトに当たってナルトがサスケ君にぶつかって…なってしまったらしい。とんだ災難だ。

「これから君達には里からの任務が与えられるわけだが」

めんどくさ…多少の任務は仕方ないがヤル気が起きない。
今後は三人一組の班で上忍の先生一人付き任務をこなしていくとの事。優しい先生だったらいいなぁ…。待てよ、三人ずつだったら数が合わない。このクラスは全員で28人だ。一組四人になるところがあるのか。

『シカマルとチョウジと一緒の班になりたいな…』

「…ああ」

「僕も三人でなりたい」

小さく呟いた言葉に二人とも返してくれた。

『良かった。思ってること考えてたんだね、僕ら』

それが嬉しくて笑顔だったのがイルカ先生の次の言葉で落胆する。

「班は力のバランスが均等になるようこっちで決めた」

その一言に生徒はブーイングするが先生は聞く耳もたず。
ああ、最悪だ。これでは絶対というか確実に僕達はバラバラの班になる。

「…離れるだろうな」

『だよねぇ…』

僕は頭良くないし成績が普通よりも悪い。シカマルとチョウジもそれは一緒で。

同じ班の人の足手まといになりそう…。いや、でも諦めない!こういう時だけ神様とやらを信じてみよう。


1班から順に5班まで呼ばれたがその中に僕の名前は無かった。勿論二人も。
無駄に胸がドキドキする。早く名前呼ばれないかな…この際面倒な人以外なら誰でもいいや。
次かと心待ちにしていたが6班にも名前を呼ばれなかった。

もう…寝ようかな…。

「次、7班。ここは4人になる。春野サクラ…うずまきナルト」

サクラちゃんとナルト…。ナルトは物凄い喜んでるけどサクラちゃんはとても嫌そう。良いんだか悪いんだか…あと二人は誰だろう。

「それとうちはサスケと如月ソラ」

次はサクラちゃんが喜びナルトが落胆した。
うわーこの班絶対なりたくねぇ。

『……』

ん?僕の名前呼ばれたような…。

「何でコイツと同じ班なんだってばよ!」

サスケ君に指をさし言った。

「サスケは卒業生28名中一番の成績で卒業。ナルト…お前はドベ!班の力を均等にするとしぜーんとこうなんだよ」

なるほど。成績の悪い僕とナルトを優秀なサスケ君とサクラちゃんでカバーか、悲しい…。
サクラちゃんは嫌いじゃないんだけど僕を見る目が苦手。相手は僕のこと嫌いなんだろうな…。

「せいぜい俺の足引っ張ってくれるなよドベ!」

「何だとォコラァ!!」

「いい加減にしなさいよナルト!」

売り言葉に買い言葉とはまさにこれの事。

「大変そうだな、お前の班」

『大変そうじゃなくて大変だよもう…』

これじゃ先が思いやられるな…早速喧嘩なんて不安ばかりだ。

シカマルとチョウジは10班で同じ班になった。羨ましい…。ヒナタは8班になった。また離れた…。

『同じ班が良かったなぁ…』

「そんな気落とすなよ。班が違っても会えなくなるわけじゃねぇし」

『そうだけど』

「いつも変わんねーよ」

『…だよね』

そりゃそうなんだけどなんだか胸に蟠りが…。


「じゃみんな、午後から上忍の先生達を紹介するからそれまで解散!」








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