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愛は僕等を救わない
04





いのに散々言われていたが気まずくてソラの見舞いには行かなかった。そしてとうとう明日が本選、という時にやっと踏ん切りがつき病院に来た。来たはいいが病室に彼奴の姿は無く看護師に聞けば先日退院したとのこと。もっと早く来ていれば、と後悔していると検査の為度々病院に来てるらしく今日も来る予定だとか。チョウジの見舞いは済んでるしナルトが倒れたらしく丁度様子見たいがそれは後回しでいいだろう。取り敢えず…待つか。
ソラが行きそうな屋上へ行くと誰かいた。それは先程探していた人物で会いたかった奴だった。空を眺めているのだろう、緩やかな風に靡く髪や後ろ姿に見惚れた。アカデミーの頃は肩より短かった髪も今では少し伸び肩に付いている。今その手を掴まなければ何処か遠くへ行ってしまうようなそんな気さえした。

「よぉ」

『来てくれたんだ』

振り向くと右目には包帯が巻かれたまま。あの時の試合が脳内で再生する。爆発で取れた腕に焼けた頬、そして紫に染まった瞳、自分で差した右目…。此処で能天気に空を眺めて居るソラとカブトと戦ったソラが同一人物だとは到底思えない。ふと無い筈の右腕が付いていた。先日技師が来て付けてったと看護師が言ってたな。

「…まあな」

『もう来ないのかと思った』

いつもの無機的な声ではなく今はその声が少しだけ寂しそうに聞こえた。

「…悪かった」

『なんで謝るの』

「なんでもねーよ。お前なんかチョウジとナルトも入院してるし顔見に来ただけだ」

『あ、僕はついで?』

「バーカ。ちげぇっての」

俺だけが気まずいと思ってたのがアホらしくなってきた。変わらない、ソラはソラだというのに。


『シカマル』

「なんだよ」

バッチリ目が合いソラが微笑んだが、なんだか照れ臭くてすぐ背けた。

『やっと目を見てくれたなぁって。ちょっと嬉しかった』

「……ソラ」

『ねぇ』

いのやサクラの他の女より低い落ち着いた声。

『皆が皆って訳じゃないけど目を見てくれない。あの試合が原因?ヒナタは僕を怖がってる様に感じた。いのちゃんとチョウジだって無理して僕と接してるように見えた。シカマルだって本当は、』

「ソラ俺の目を見ろ」

両肩を掴み俺の方を向かせた。戸惑う目を捉えた。

「ソラはバカでいっつもボケっと空ばっか眺めてて何にも無関心で無表情で何考えてんのか分かんねぇ」

『お前…』

怒ったな…けど全然怖くねぇ。

「けどな、此処にいるソラはお前だけだ。気にすんなよ」

『わっ』

髪がぐちゃぐちゃになるのも気にせず頭をわしゃわしゃ撫でた。そして右腕が付いてることに気づくと先日付けたばかりだと言った。

「そういえばお前本選出るの知ってるか」

『うん』

普通に頷かれ驚いた。勿論俺と当たることも知っていた様だ。いのが言ったらしい。なんというか…彼奴はお喋り過ぎる。

『その本選だけどさ、棄権しようと思う』

「…何考えてんだよ」

『何も考えてない』

前触れもなく言うもんだから驚く間もない。何も考えてなかったらそんなこと言い出さないと思うんだが。自分から言おうとしないしまぁいい。

「…いいんじゃねぇの」

『君ならそう言うと思った』

止めたところで素直に頷く奴じゃないし止める理由もない。

「これからナルトの見舞い行くけど来るか?」

『遠慮しとく』

「そっか」

『うん。てかなんで入院してるの』

「修行してたらしーぜ」

『ふーん…そんじゃバイバイ』

…なんて素っ気ない奴。別れの挨拶を言うだけいいのか…。


「ソラ」

『何?』

「何処にも行くんじゃねぇぞ」

『突然何言うの』

「なんでもねー!」

『……』

絶対変な奴だと思ってそうだ。

『何処にも行かないよ』

最後にもう一度微笑んだ。滅多に笑わない奴だと分かっているからその笑みを見られるのが最後に思えてどうしようもなく虚しくなった。




0729
ぐぅさん
お待たせしました!今回はシカマル贔屓なんですがなんだろ…シカマルが報われない変な感じに(;;゚ё゚;;)…私も我愛羅とシカマル大好きなんですよ本当に!でも最近ネジもいいなぁなんて←
ミルクteaさん
はじめまして(^ω^*)更新遅くて申し訳ないです(´;ω;`)ブワッ
原作はもう二部でヒナタの大きな胸がああなっているというのにっ!早くそこに加わりたい←
葵さん
きゃー(ノω`*)画面越しにニヤけちゃいました自分きも(;;゚ё゚;;)嬉しいかぎりですうふふふふ
一気に読んで大丈夫ですか目に異常ないですか!

レビューありがとうございます(^ω^*)



あきゅろす。
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