愛は僕等を救わない
01
最近図書館や学校等で暇な時(いつも暇なんだけど)比較的昔の書物を漁ってる。長ったらしい文は読む気になれないので漁ってるだけ。その中で気が惹かれたのがあれば目を通す。んで興味を持ったのは三大瞳術の中では最も崇高にして最強の瞳術とされている輪廻眼。それを持つ者は創造神とも破壊神とも言われ忍の始祖である六道仙人が最初に開眼し、伝説上の眼とされている。らしいが記述があるということは遥か昔に存在したのかもしれない。物凄く興味深い。使えたらな〜…なんて思ったり。
そんなことを考えていたらあっという間に目的地に着いた。
「いらっしゃいませ〜…ってソラじゃない!」
『いのちゃんおはよ』
「おはよう。…何て言うか、相変わらずね」
『え…うん?』
会って早々それはないんじゃ…普段通りにしてただけなんだけど。
「ソラはソラだって思っただけよ。いつもの花でいい?」
『あー…今日はアレがいい』
そう言って指差したのは真っ赤に咲く名の知らぬ花。
「この花はポインセチアっていうの。アンタがこの花選ぶなんて珍しいわね」
『たまにはいいかなと』
「誰かに贈るの?」
『いや』
「なーんだ」
つまらなそうにバケツから花束を抜き取りそれを紙に巻いていく。一方的に話し続ける彼女に相槌を打ちながら告げられた代金丁度を渡しお礼を言って花屋を出た。
「あ」
視界の端で僕を見て誰かが立ち止まった。自意識過剰みたいだから一応言っておく、多分。
「てめっなんで無視すんだよ!」
ガシッと肩を掴まれ痛いなぁと思いながら振り向くと見知った顔が目に入った。近い近い、頭に乗ってる赤丸が元気よく吠え一瞬肩が飛び上がった。
『キバだ。どうしたの』
「どうしたじゃねーよ。何回も呼んだだろうが。気付けっての!」
『ごめん聞こえなかった』
「嘘くせー」
『本当だってば』
嘘でもいいや。
『んで何か用?』
「別に。ただ見かけたから話し掛けただけだ」
『……そう』
悪いかと聞かれたけど悪いと言えば煩さくなるだろう、首を横に振っといた。
「お前は花なんか持ってどこ行くんだ?つか花似合わねー」
おぉ、いつになくウザい。でも人のこと言えないよな。君も中々似合わないぞ。
『君は何してんの』
「赤丸の散歩」
『え?』
「あ?」
頭の上に乗ってるから散歩にならないような。どっちかっていうとキバが散歩させられてるというか。言った方がいいのか言わない方がいいのか…当人は気にも止めてない様子。敢えて触れないで置こう。
「隈出来てるぞ。ちゃんと寝てんのか?」
『まぁ…』
「アカデミーじゃずっと寝てたのにまだ寝足りないんだな」
一体何時間寝ればいいんだと笑われた。何が可笑しくて笑ってるのか理解できなくて仏頂面してたのか「不貞腐れんなって」と頭を撫でられた。何故。ふと思う、ナルトに似てると。勿論口には出さないが。
その後いつまで経っても解放されそうになかったので適当に理由をつけて別れた。
結局何しに行くのか言ってないけどいっか。
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