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愛は僕等を救わない
01




「そっち行ったぞ!」

「ソラ!」

今日の天気は曇りか…なんだかなぁ。暑くないのは嬉しいけど雨が降りだしそうなこの天気は嫌い。ジメジメしない曇りは好きなんだけどね。それに雨嫌いじゃない。

「ソラ!!」

『煩いな…ってうわあ!!』

目線を上から戻すと顔一杯に何かが飛び込んできた。一瞬のことで対応出来ずソレは何処かへ行ってしまった。僕はポカンとその後ろ姿を見つめていた。

「あーもう!折角のチャンスだったのに!」

…そーいえば任務中だったんだっけ。

「おい、ボケッとすんな」

「サスケ君に迷惑掛けないでよね!」

「最近ボーッとしすぎだってばよ」

散々な言われよう…僕が悪いんだから仕方ないけどさ。これ以上何か言われる前に一応謝っとこう。

『……ごめん』

「ま、そんなこともあるさ」

カカシ先生が僕の頭に手を乗せ気にするなと言う。生憎一々気にしてる様な女々しい性格じゃないと思ってる。きっと明日には忘れるだろう。
本日何度目になるのか分からない欠伸をした。

「今日のソラいつもよりフラフラしてるってば。そんなに眠いのか?」

『うん。眠い』

「寝る子は育つって言うけどソラの場合横に育ちそうだな」

『失礼だな』

別に食っちゃ寝してる訳じゃないから体重は変わらない筈。それに動いてるし、今とか。
後頭部で手を組、ナルトが聞いてきた。

「もしかして怖い夢見て寝れないとか?」

『……』

図星で顔がつい引き攣った。どうして君は…。

「だっせー!」

『生野菜嫌いってマジ泣きしたの誰だよ』

「うわ!言うなよ!」

かなり前の話だが鮮明に覚えてる。サクラちゃんには絶対言うなと釘を刺されたがサスケはいいのかと聞くと彼もダメらしい。なんだ、僕がつまんない。


「夢ってどんな?」

カカシ先生が食い付いた。
んー…言うべきなのだろうか。僕としてはなるべく言いたくない。気味悪がられそうだし詳しく聞かれても答えようがない。

『……僕が』

言ったらどんな表情をするんだろう。


『人を殺す夢』

カカシ先生の顔といったら酷く驚いていた。マスクしてるからよく分かんないけど目は見開かれている。

『…なーんて嘘。大したことない夢です』

信じたかは知らないけど。
ナルトやサクラちゃん、サスケの元へ走った。さて、次こそは捕まえないと。


血の海となった屍の中で幼い僕が泣いてる、なんて言えない。








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