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愛は僕等を救わない
04



中には誰もいなかった。
そのせいか壁に掲げられた大きな板状の物が存在感を引き立たせる。それには文が記されており、よく見れば所々字が抜けていた。

『天無くば…地無くば…』

野を駆け利を求めん。
わざわざ難しい言い方しなくても…。大体分かるが考えるのが面倒。

「これって天地の巻物を開けって事だと思うんだけど…」

ここで開けちゃっていいのかな。でもそうするしかないし…巻物にサクラとナルトが手を掛けた。

「それじゃ…開くってばよ…!」

『………』

二つの巻物に大きく書かれていたのは"人"という字。

人………これは口寄せの術式?

「その巻物を放せ!!」

サスケの声に二人は巻物を放り投げた。その巻物からは煙が上がる。煙の向こうには一つの影が見えた。


「久しぶりだな」

懐かしい声に自然と声が弾む。いつぶりだろう、先生を見たのは。

『何でイルカ先生が…?』

「この第二の試験の最後は俺達中忍が受験生を迎える事になっててな…たまたま俺がお前達への大切な伝令役を仰せつかった訳だ」

凄い偶然。知ってる先生で良かった。中々会えないから尚更。


「第二の試験…四人とも突破おめでとう」

「やったー!!」

勢いよくイルカ先生に飛び付いた。

「元気な奴だな…」

『君は元気なさそうだね』

「疲れてんだよ」

ああ、さっきの戦いで写輪眼使ってたっけ。その時に首筋の痣も浮き出てた。

『痛くない?』

「俺より自分の心配しろ」

相変わらず冷たい。僕だって君のことが心配なのに。杞憂だってことか。

巻物が開かれた場合イルカ先生は目の前の受験者に第二の試験終了時刻まで気絶させていたと言う。
開かなくて良かった…。


「ところであの壁紙は何なの?…なんか虫食い文字になってるし…私達じゃ全然意味分かんないんだけど」

これは火影様が記した中忍の心得だと教えてくれた。この文章の天は人間の頭を指し地は人間の体を指す。
イルカ先生に説明されたが難しそうでよく分からないから聞き流した。


「この五日間のサバイバルは受験生の中忍としての基本能力を試す為のもの…そしてお前達はそれを見事クリアした。中忍とは部隊隊長クラス…チームを導く義務がある。任務における知識の重要性体力の必要性を更に心底心得よ!この中忍心得を決して忘れず次のステップに挑んで欲しい」

以上がイルカ先生が仰せつかった伝令。ナルトが大きな声で頷いた。
次のステップってまだ試験あるってこと?勘弁してほしい…もう動きたくない。




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あきゅろす。
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