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愛は僕等を救わない
06

様子がおかしい。眼が覚め立ち上がった彼の顔には呪印が広がっていた。腕まで…指先にもある。


「サクラ…ソラ…誰だ…お前等をそんなにした奴は…どいつだ…」


眼が写輪眼になってる。
ヤバイ、反射的にそう思った。

「俺等だよ!」

ザクという奴はサスケの夥しいチャクラを感じないのか?そんなことを言ったら今のサスケなら殺しかねない。


「あいつがくれたんだ。……俺は漸く理解した。俺は復讐者…。例え悪魔に身を委ねようとも力を手に入れなきゃならない道にいる…」

『何言って……』

僕の声はサスケに届いてる?


「さぁて…お前だったよな」


速かった。
先程まで離れた所に居たのにザクの隣に現れ腕で殴っただけで奴は吹き飛んだ。
印を結び火遁の術をやった。きっとあれは鳳仙花、前に一度見たことがあった。飛び散る火の中に手裏剣を忍ばせ攻撃する。

目にも止まらぬ速さでザクの両腕を後ろから掴み背中に片足を乗せた。

あのまま力を加えたら確実に折れる。折るつもりなんだろう。生憎それを見過ごすつもりはない。

「この両腕が自慢なのか…」

『止めろ!』

「何故だ?お前を傷つけたのはこいつ等だぞ」

『だからって僕は…っ僕はそんなこと望んでない!』

「…ソラは甘いんだ」

一瞬視線だけ僕に向けたが手と足に力を加え惨いバキッという骨の折れる音が聞こえ断末魔の叫びが耳の奥まで入り僕まで気持ち悪くなる。


「残るはお前だけだな…」

次は、と包帯の奴に近寄る。


「お願い…やめて…」


サクラが後ろからサスケに抱き着いた。そのお陰か呪印は引いていき、完全に消えた。


僕には止められなくてサクラに止められたことがどうしようもなく悲しくて虚しかった。




「今の君は僕達では到底倒せない。これは手打ち料…ここは退かせて下さい」


何処からか取り出し地面に置いたのは地の書。
虫が良すぎる。だが仲間二人を抱え立ち去った彼を誰も追おうとはしなかった。
去る前にサクラの問いには「サスケを殺るように命令された」と答えた。


正気を取り戻したサスケは先程のことを覚えてない様子だった。

「俺は一体……」

『痛いとこはない?』

「ああ…。それよりお前は、」

『良かった。僕は見た目程酷くないから平気。あとはサクラが見てて』

サクラにサスケを任せたリーの元へ向かう。

「おい!大丈夫かよお前等!!めんどくせーけどいのはリーって奴頼む!」

『彼は僕がやるよ』

「ソラは無理すんな」

『別に無理してないから。治療しなきゃ…リーが一番酷い怪我してる。それにこの中で医療忍術使えるのは僕だけだ』

「一度言ったことはやるまできかねーもんな…しょうがねぇ」

『流石シカマル』

なんて言ったらため息吐かれた。
いつまでも寝たきりのナルトにシカマルが声をあげた。

「つーかどーするコイツ!蹴り起こすか?」

「僕がやっていい?」

『手加減しろよ』


いのちゃんがリーの腕を首に置き抱え歩いてるとこへ行くと先程の二つ結びの女の人が来た。

「あとは私が看るわ」

『あ…あの』

「しっかりしなさいよ!リー!!」

肩を掴み力強く揺さぶった。なんて無理矢理な…仮にも怪我人…。

「ん……あ…テンテン、どうしてここに」

「助けに来たのよ!」

「……アレ…?音忍は…?」

「サスケって子が追い返しちゃったわよ!」

「なんで早まって単独行動したの!しかもボロボロじゃない!」

「サクラさんとソラさんがピンチで…男としては…」

ああ…なんだか申し訳ないです本当。

「本当アンタってバカね!」

ストレートすぎる。僕そんなにハッキリ言われたら傷つく。心が。

「ハハ…言い返す言葉もないっス」

『そこまで言わなくても…巻き込んだのは僕だけどリーさんには助けられた。ありがとう』

「い、いえ!あまり貢献出来ませんでしたが…」

「あー!お前っでゲジマユ!!」

「失礼な事言うんじゃないわよ!!」

いつの間にか目を覚ましたナルトがリーに指差して叫ぶとサクラが頬を殴った。
元気だなぁ…二人共。








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