愛は僕等を救わない
01
ずっと人の顔色を伺ってきた。捨てられるのは嫌だから。
波の国の任務から暫く経ちそれからは普段と変わらずDランクの任務を受けていた。やっぱりそれが自分に合ってて良い。のんびりできるし血を流す事もない。平和だなぁ…青空を眺めて思う。
『おはよーサスケ』
「…おう」
んで待ち合わせの場所に最初に来たのは僕で後に足音が聞こえ見上げてた目線を下ろすとサスケが来た。最近二人で他の三人を待ってる事が多い。
「何してんだ」
『空眺めてたの』
「どうして空なんか…」
『綺麗だなーって、』
青空と穏やかに流れる雲は見てて飽きない。とても落ち着く。心が浄化するようだ。
最初はこの澄んだ大空が大嫌いだった。朝も夜も。太陽が月が大きな空が、星々まで僕を責める様で堪らなく惨めで情けなくて嫌だったんだ。だけど今は普通。シカマルの影響が大きいかも。
『サスケも見てみなよ』
言われた通り無言で目を天に向ける。
「…綺麗だな」
久しぶりにこんなまじまじと空を眺めた。
『でしょ』
暫く雲を眺めているとサクラちゃんが来てその数分後にナルトがサクラちゃんの名前を呼び手を振りながらやって来た。
「「フン!」」
サスケとナルトが目を合わせた途端顔を逸らす。
『………』
どうしたんだろ…二人共。波の国から様子がおかしい。なんか僕までここに居づらい。それはサクラちゃんも同じでカカシ先生が早く来ないかと話してたが中々来ず、結局来たのはなんとあれから三時間後だった。
「やー諸君おはよう!今日は道に迷ってな…」
「「いつも真顔で大嘘つくなっ!!」」
見事にナルトとサクラちゃんがハモる。なんだかんだでこの班の相性はいいのかもしれない。カカシ先生の遅刻癖について僕はもう諦めてる。どうせ治らないだろうと。
「あのさ!あのさ!俺ら七班最近簡単な任務ばっかじゃん!?俺がもっと活躍できる何かこう、もっと熱いのねーの!?」
「あーハイハイ……」
今日も熱いナルトにカカシ先生は面倒くさそうに返す。
『僕は今のまんまで充分』
「それじゃダメだってばよ!もっと忍道をこう…」
忍道ねぇ…。自分の忍道なんてないから正直どうでもいい。
あれ、前と自分の言ってる事が違うぞ。
本日任務終了後
フラフラで足がおぼつかない上に顔が腫れ体中傷だらけのナルトの腕を僕が肩で担ぎ支えながら歩く。時々足がぶつかり何度も転びそうになった。
『無茶するからだ』
「ったく。世話のやける奴だな」
「ムッキィーー!!ザズゲーー!!」
『ちょっ耳元で叫ばないで』
距離が近いのに叫ばれては耳が痛い。鼓膜破れるって。
「これ以上暴れたらとどめさすわよ!」
『サクラちゃん一応ナルト怪我してるから…』
「ソラは黙ってて!」
『…はい』
今にも殴りかかりそうなサクラちゃんを止めようとしたが無理だった…。あの形相…まるで鬼の様…ああこわっ。
「んー…最近チームワークが乱れてるなぁ…」
「そーだ!そーだ!チームワーク乱してんのはテメーだよサスケ!!いつも出しゃばりやがって!!」
「そりゃお前だウスラトンカチ」
『(同感…)』
任務中ナルトは良いとこ見せようとしていつも空回りし失敗に終わる。
だがサスケも一人でやるのでチーメワークが纏まらない。
「そんなに俺にカリを作りたくねーならな…俺より強くなりゃいーだろが」
両者共睨み合う。いつからこんな仲悪くなったんだろう。
「そろそろ解散にするか。俺はこれからこの任務の報告書を提出せにゃならん…」
「…なら帰るぜ」
「ねー!サスケ君待ってー!私と二人でェーチームワーク深めるってのは…」
「俺に構う暇があったら術の一つでも練習しろ。はっきり言ってお前の実力はナルト以下だぞ」
ハッキリ言うなぁ…。そこまで言わなくてもいいのに。
『僕も帰るか…』
いつまでも此所に居ても仕方ないのでサクラちゃんとナルトを残し帰った。
『………』
途中まで歩きポケットに手を入れて気付く。
あれ、おかしいな無い。ある筈の物がポケットに入って無い。…落とした。最悪だ。これじゃ家に入れない!
走りながら元来た道を戻ると先程の場所に見慣れない男女がいた。何故か木ノ葉丸達も。ついでにナルトとサクラちゃんもまだいる。
『まだいたんだ、』
あれ、なんだか修羅場っぽい。全身黒で身を包み顔に化粧というのかな?何か描いてある男は木ノ葉丸の服の首元を掴んでいた。
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