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愛は僕等を救わない
01


「よしっと。これでオッケー」

『いったー!』

仕上げにと最後ベシッと勢い良く包帯を巻かれたばかりの所を叩かれた。
最後のは余計だって…上手に包帯巻いてくなーって感心して見てたのに。

「何痛がってんのよ。これくらい大した事無いわ」

『僕は痛いよ…』

叩かれたとこを押さえた。叩かれたせいで悪化した気がする。いや絶対悪化した!それにいきなり叩かれたら誰だって痛い。ただでさえ怪力でサクラちゃんは僕より力あるのに。

今、タズナさんの家に居る。気付いたら布団で寝てて、ふと起きたらサクラちゃんが怪我したとこ手当てしてくれるっていうからしてもらったていた。

『ありがと』

「どういたしまして」

隣りに並べられた布団を見ると仰向けにカカシ先生が眠っている。タズナさんは胡座をかいていた。

「なあなあ、サクラちゃんソラ」

「どうしたのよ」

『何?』

「カカシ先生のマスクの下…見たくねーか?」

『…見たい』

そういえば寝てる時もマスクしてる。今まで外したとこを見た事がない。
めちゃくちゃ見たい…!
こういうのにサクラちゃんは反対するかと思ったら肯定的に頷いた。

『サスケく…じゃなかった。サスケは?』

「俺はいい」

あら残念。でも本心は絶対気になってる筈。興味無い訳がないのに。それにこんな絶好なチャンスは滅多にない。

「誰がマスク取るの?」

『ここは言い出しっぺのナルトで』

「俺!?」

僕がやったら確実に失敗に終わりそうだし…。
だがそれでは不公平だ!と言うのでジャンケンで決めることにした。結果は僕とサクラちゃんがパーでナルトがグーで見事一回で決まった。
そのあともなんとかサクラちゃんが説得し、これ以上何か言う様子も無くあっさり決まった。
多分相手がサクラちゃんだったから納得したんだろうな…。

ナルトが恐る恐るカカシ先生の眠る布団に近寄りマスクへと手を伸ばす。
それを僕は少し離れた所で、サクラちゃんはナルトの隣りに座って見ている。

『(あと少し…)』

あと数cmでマスクに触れるという時、

『!!』

「「ギャーーー!!」」

突然無言で目を開けた。見開いたというか…。
心臓止まるかと思った…本当にビックリした。サクラちゃんとナルトなんて近くにいたから余計驚いて悲鳴に近い声上げた。

「バカ!もっとうまくやんなさいよ」

「ごめんサクラちゃん…」

『あはは。どんまーい』

棒読みで言ったら睨まれた。そんな怖い顔しなくても…見れなかったのは残念だったけど。見たかった気持ちはみんな同じ筈。
奥からツナミさんが出て来た。タズナさんの娘だ。

「ソラちゃん起きたのね」

『あ、はい。迷惑かけてすみません』

「いいのよ気にしなくて。あら、カカシ先生も起きたの?」

ツナミさんの問い掛けに答えず起きて早々深刻な表情をし考え込んだ。

「どうしたんだってばよ!先生?」

「ああ…。死体処理班ってのは殺した者の死体はすぐその場で処理するものなんだ」

『へー…』

あのお面の子が、か。
見た感じまだ少年だった。歳も近いだろうに。僕とは違って優秀な忍者なんだろうなぁ。

「まさか…」

え、何まさかって何がまさかなのサスケ。嫌な予感しかしない。何かは分かんないけど。

「おそらく再不斬は生きてる!」

それぞれ驚いた表情をする。勿論僕も驚いたがみんなの顔を見てると面白い。にしてもあんな強い人がそう簡単に死なないか。図太く生きて生きそうな顔してたし。

「どーゆー事だってばよ!?」

「カカシ先生アイツが死んだのちゃんと確認したじゃない!!」

「確かに確認はした、があれは恐らく仮死状態にしただけだろう…」

再不斬の首には数本の千本が貫通していたが千本は急所に当たらない限り殺傷能力のかなり低い武器で。別名、死体処理班と呼ばれる追い忍は人体の構造を知り尽くしてるので人を仮死に至らしめる事も容易。

「あの少年の目的は…再不斬を"殺しに来たのではなく助けに来た"そう取れない事もない」

「超考えすぎじゃないのか?」

「いや…クサイとあたりをつけたのなら出遅れる前に準備しておく。それも忍の鉄則!」

『(鉄則…)』

お面の子と再不斬が仲間…。まだ確信がない為憶測に過ぎないが。
嫌だなーなんて思ってるとナルトは再不斬が生きてると訊いて喜んでる。それを訊いて喜ぶ気が知れない。

「お前達に修業を課す!」

の一言でカカシ先生が回復するまでの間僕達は修業する事に決まった。
再不斬については、一旦仮死状態になった人間が元通りの体になるまでかなりの時間がかかるのでお互いさま。

「面白くなってきたってばよ!」

「面白くなんかないよ」

お、今まさに僕と同じ事思ってた人がいるぞ。ただ悪いのは口に出してる。思ってても中々口には出さないのが僕。
誰だと目を向けるとしましまの帽子を深く被った男の子が居た。靴を脱ぎツナミさんの隣へ歩み寄る。

「母ちゃん…こいつら死ぬよ」

「なんだとォー!!」

『ツナミさんの子供だったんだ…』

「そこ?」

あ、口に出すつもり無かったのに。

「ガトー達に刃向かって勝てるわけがないんだよ」

「俺は将来火影というスゴい忍者になるスーパーヒーローだ!ガトーだか知らねーがそんなの全然目じゃないっつーの!!」

「ヒーローなんてバッカみたい!そんなのいるわけないじゃん」

『……』

冷めてるなコイツ。無愛想…子供は子供らしく少しは笑えばいいのに。

「死にたくないなら早く帰った方がいいよ」

不吉な事言うな…。

「どこへ行くんじゃイナリ」

「部屋で海を眺める」と言い襖を開け奥に行ってしまった。








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