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「…おはよ」

「えっ…光くん?」

「今日朝練休みやから一緒に学校行こ思うて待っとった」



自然と俺の足は学校と逆方向のなまえん家に向かっとった

家から出てきたなまえはまぁ当たり前やけどびっくりした顔しとってなんか笑えた


「なぁ 一緒に歩いとるのに離れすぎちゃう?」

「えっ そうか、な?」

「…まぁえぇわ せやクラスどこなん?」

「えっと 3組」

「なんや結構離れとるんやな」

「そうだね…」

「…なあ なまえ、自分テニス部のマネージャーやったらどうや?」

「て、テニス部?」

「俺 テニス部やねん どうせ部活決まってへんのやろ?」

「光くん テニス部だもんね… そ、そうだね…うん 考えとく…」

「他にやりたい部活でもあるん?」

「ないけど…」

「せやったら 今日の放課後部活見学しに来てみ」

「ま、マネージャーって男子テニス部のだよね?」

「せやけど?」

「そう…だよね」


なまえの顔は一気に暗なった

なんでやろ


テニス部になんかあったんやろか?

なまえの方を見ると俺と目線があってびっくりした顔をした後ぎこちなく笑った





ーーーーー…


放課後
なまえのクラスに迎えに行くと

なまえはスクバに教科書を入れながら女や男に囲まれ話しとった


どこか不安そうな顔をしながら話しとるみたいやったのは俺が気にしすぎのせいやろか?

新しい学校にまだ慣れてへんからやんな?


俺に気づいたなまえは慌てて俺の元に走ってきた


「ごめんね 光くん」

「ほな 行こか」

「えー!みょうじさんって財前くんの知り合いなん!?」

「なんでなん!?どーいう関係?」


なまえは笑いながら手を振って教室を後にした


部室に近づくに連れてなまえの顔は強張ってきとって 心配になって顔を覗き込んだ


「…どないしたん?」

「なっなんでもないよ?ほら 知らない人ばっかだから緊張してるだけだよ?」

「阿呆な先輩ばっかやから変な気使わんくてえぇから」

「阿呆な先輩やって?財前」

「…ホンマの事ですやん 謙也先輩」


部室のドアを開けた瞬間
目の前に謙也先輩が居って腕を組ながら仁王立ちしとった


「なんやねん!先輩に対して失礼やろ!?…ってあれ?その子昨日の東京もんの転校生やん やっぱ知り合いやったんか?」

「部長ーこいつマネージャーやりたい言うとるから部活見学させてほしいんやけど」

「無視か!」

「マネージャー?」

「せや 男目当てのマネやないから問題ないスよね?」

「まぁ 男目当てのマネは仕事せんからなぁ…その子昨日の子やんな?」

「あっあの!みょうじなまえです きっ昨日は助けていただいて有難うございま…した」

「礼儀正しい子やん」


部長はにっこり笑って更衣室になまえを案内してくれた


「財前はなまえちゃんの幼馴染みなん?」

「まぁ そんな感じっスわ」

「ふーん?まっなまえちゃんが出て来たら部活始めよか 実際にちょっとマネ業させてみてもえぇやろ?」

「えぇんとちゃいます?」


数分後なまえはジャージに着替えて出てきて
部長とベンチに座りながら部活の練習風景を見ながら一連の流れやがマネ業について説明しとった

朝も俺と歩いてた時も思うたけど
なまえは部長とも人一人分くらい間を開けて喋っとる


嫌い、とかやないやろ
部長外面だけはえぇし 昨日も助けてくれたんやし
警戒心とか関係ない筈や


「財前?何ぼーっとしとるん?」

「謙也先輩?」

「なまえちゃん見てたん?そや 思い出したんやけどあの子立海の制服着とったんやな」

「…そうやけど」

「見た目あんなんやのにめっちゃ内気な子なんやなー 初めて見た時とのギャップすご過ぎやで」

「なまえはそこらのギャルとはちゃいますわ」


見た目だけで判断するなんや先輩阿呆過ぎや

なまえは一人で部室に向かうと部長がこっちににやにやしながら来たんがまたうざったかった


「なんやー 二人してなまえちゃん見てたん?練習に集中せなあかんで」

「阿呆か!それよりなんでなまえちゃん一人で部室行ったん?帰るんか?」

「ちゃうちゃう ドリンク作ってもらうためにな」

「なんで白石一緒に行かへんかったん?一人で作れるん?」

「前の学校で運動部の手伝いしとったから一人で作れる言うてたんや」

「へー 立海のテニス部の手伝いでもしとったんやろか?」

「どうやろなー運動部としか言うてへんかったから」

「…んなもん どーでもえぇっスわ」


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