[携帯モード] [URL送信]
.




ずっと 近くに居ればかわらんで済んだんやろか?

あの日から
いくら探しだって自分の姿なんや見れへんのは知っとった



せやけど
探してまうんや





「…あれー?ウチの制服とちゃう子がおんで」


先輩達と一緒にお昼を食べる事になって部室に向かっとる時やった

渡り廊下でたむろっとる男達の中に違う制服の女子が一人居るのを不思議そうな顔して謙也先輩が言うた


「ホンマやな 確か財前の学年に転校生きた言うとったけど女の子なんやな」

「(…あれって立海の制服やんな?)」

「あの髪色 東京の奴やろな アクセサリーもいっぱいつけとんで」

「(…せや あいつはあんな成りなんやしてへんかった…せやけど、)」

「そうは言うても あれ絡まれとるとちゃう?」


部長が言い終えるより先に足が動いた
確信なんやなかった

けど 足が動いたんや


「…先輩ら何しとるんです?」

「なんやねん 自分あっち行けや」

「せやでー邪魔せんとき ほなお嬢ちゃんは俺らと一緒にお昼食べような」


言い寄られとる女は言葉こそ発してなかったけど
顔が恐怖を物語っとった


「怯えとるやん そんなんやから先輩らモテへんねん」

「なんやねん!テニス部やからって調子のんなや!!」

「ウチの後輩がすまんなぁ せやけど自分ら醜いで?」

「しっ白石!」

「そこの子離してあげてや?」

「う うっさいわ!」


後から来た部長を見て男らは反論出来んくて走ってどっか行った


「大丈夫か?堪忍な ガラ悪い奴も居るけどここはえぇとこやから」

「せやけど 財前どないしてん?女の子に自分から近づくなんや…こういうの一番めんどくさがるやろ?」

「うっさいスわ」


男達が居なくなったとこで
漸く近くで顔を見れる思うたけど女は顔を俯かせたまま無言で何度も首を縦に振って走って行った


「…なんやったんやろ」

「転校生初日で知らん男にいっぱい話しかけられてびっくりしたんちゃう?」

「そうなんかなー てかあの制服どこかで見たことあるんやけど…」

「…さっさと飯食いません?腹減ってしゃーないスわ」

「なんやー!財前がこっちに来たんやろが!!」


謙也先輩が後ろでごちゃごちゃ言うとったけど無視してさっさと部室の方へと向かった


.





#

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!