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夏休み
私はバイト漬けだった

ドタキャンされた日
バイトのトレーニングを土壇場で入れてもらって


最初から
この日はバイトだと思い込むようにした

そうしないと
苦しかったから


貴方のメール一通でこんなにも心が揺れる

私はやっぱり
貴方を好きになんて ならない方がよかったんだ…

この気持ちはもう閉じ込めなくちゃ…


毎日は吸いたくなかった煙草に火をつける回数は増えていった



その内
夏休みは終わった

学校なんて 行きたくなかった



学校が始まって一週間が経った

切原くんとは話してない
何を話していいか なんてわからない


……なんて
思ってたのに


朝 前を歩く貴方を見て
私の足は自然と駆け出して
テニスバックにしがみついた


「…はよ」


イヤフォンを付けていた切原くんは
私に気づいて振り向く

何か話さなくちゃ…


でも 口は動かなくて
見つめる事しか出来なかった


「何?」

「えっ…あ そういえば宿題今日提出だよね?」

「あー今日だっけ?」


当たり障りのない話しか出来なくて
また 沈黙


「そういえば 夏休みどっか行った?」


いつも
そんなに話題をふってくれないのに
切原くんが話題をふってくれた事が嬉しくて

ほんとは
切原くんがドタキャンをしたことについてなんか言ってやりたかったけど

そんな度胸なんてなくて


「んー 家族でプールに行ったくらいかなぁ」

「…まじで?あっ バイトも始めたんだろ?どう?」

「うん 今日で四連勤目」

「みょうじ頑張ってるじゃん」


にっこりと笑った切原くんを見たら

また
気持ちの扉は簡単に開いてしまった


…やっぱり
簡単に諦められない






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