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切原くんの言葉で
ついに涙が流れた

ねぇ 切原くん
私はね やっぱりそう言ってくれる人が欲しかった


「っ…でも 私汚いよ…こんな私なんか」

「別に未成年で煙草吸ってるなんて今更珍しいもんでもねーだろ あんまよくないとは思うけど…」

「…」

「これから 少しずつ減らしていけばいいじゃん 難しく昔の自分を裏切るなんて考えねーでさ」

「…なんでっ切原くんはそんな優しくしてくれるの?」

「何でって…友達だからだろ?」


切原くんの言葉でいつも
私の心は揺れ動く

貴方はそんな事知らないでしょ?


今はそんな優しい言葉で私の心を満たしてくれるけど

残酷な事にきっと ふとした瞬間に
別の言葉でまた私を突き落とす



…けどね
今こんなに嬉しい気持ちで溢れているならそれでもいいかな?


今は友達でも それでも
貴方の近くに居れる事で楽しい事がこの一年だけでもいっぱいあったよ


「…煙草 吸っても、…いい?」

「どーぞ」


切原くんの前で煙草を取り出したはいいけど
震えてライターに火がつけられない


やっと ついた火を煙草に近づけて改めて煙草を吸った

苦い苦い煙草の煙が口に広がる


「…やっぱ 美味しくないね」

「そりゃーそうだろ」


呆れたみたいな顔をしながら笑った切原くんを見て
やっぱり好きだと思ってしまった

きっと私が変わらない限り この気持ちは通じ合う事は出来ない


でもね
私は切原くんと一番最初に挨拶した日から
やっぱり運命だったんだと思うの



明日からも
切原くんは変わらず私と話してくれるかな?

遊園地も行ってくれるかな?


ねぇ そう思っててもいい?

辛かった昔の自分から抜け出してもいい?

切原くんの為に髪だって切ったんだよ?


煙草をやめるすべはわからないけど
本数は減らせるかな?



end


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