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期末テストも終わり
いつの間にか 卒業式が迫っていた

一年生の私は当たり前のように卒業式の手伝いに駆り出された


その手伝いをするメンバーの残る力仕事役の男の子二人は私が決めていいと言われ
軽く 誘導尋問で切原くんを選んだ


部活があるから無理かなと思ったけど
引き受けてくれて

午前授業の時
三人で残り 昼ご飯代は学校で負担してくれると言ってくれて先に昼ご飯を取ることになった


切原くんともう一人の男の子が二人でどこかでご飯を食べようと話していて
私一人でパンを食べるのは寂しいからついて行っていい?と聞くと頷いてくれてお店に入った



料理を頼んで切原くん達は
私の知らない話をしていた

話には入れなかったけど嫌ではなかったから黙って聞いていた


「…てかみょうじ全然喋んねーじゃん」

「えと…何話せばいいかわかんなくて、」

「なんでもいいから話さないと俺達で話しちゃうぜ?」

「う、うん」


私が全然話に入れない事を気にしてくれた
私が勝手について来ただけなのに…



「お待たせしましたー」


料理が三人一緒に来たけど 注文してから結構時間が経っていて
学校に戻る時間はあと10分くらいだった

いつもお弁当をそれ以上の時間をかけて食べてるのに 食べ終わるか心配になった


「みょうじ食べるの遅いからなぁー 食べ終わんなかったら俺食べちゃうからな!」

「うん、いいよー」


私が食べかけのもの気にせず食べちゃうの?
なんて思ったらまた嬉しかった


二人は相変わらず話ながら食べて
ちょいちょい私も話に混ざる程度なのに

私が頼んだハンバーグが三分の一食べ終わった頃にはご飯大盛りで頼んでた筈の切原くんは食べ終わってた


「さーてっみょうじの分も食べちゃおうかなー?」

「いいよ 時間ないし食べちゃって!」


切原くんはそう言うと真っ先にフォークを全然手をつけてなかったフライドポテト3つを全部刺して一口で食べてしまった


「は、ハンバーグも食べていいよ?」

「俺 ベジタリアンだから」


そんな事言って前に焼肉食べに行ったじゃん…
やっぱり ナイフで切ってても嫌なのかなぁ


なんて
思った矢先

切原くんはフォークで残ってたハンバーグを半分にして食べた


あーもうっ!
……嬉しいなぁ



「ほらほら時間やばいって!はい一口!スープ飲んで水飲んで終わり!行くぞっ」


時間ギリギリになって切原くんの言うペースで食べ物を運んで急いでお会計して店を出た


学校に着くと 卒業に必要な証明書に判子を押したり
紙を紙袋にしまったりと雑用をさせられ

荷物を体育館に運んだ


体育館で椅子の準備をしたり 一通り終わった頃には4時を過ぎていた


「はぁー やっと終わったなぁ」

「だな!疲れたぜー」

「ねー」


準備が終わって帰る支度をして先生達より先に体育館を出た


「あっ 私このあと美容院行くんだった」

「髪切るのか?」

「悩んでるーどうしようかなぁ」


このまま帰れると思ったけど
自分で予約してて忘れるところだった

前を歩いてた切原くんは私の方を振り返り言葉を返してくれた


「短くしちゃえば?」

「えっ?」

「どうせならしちゃえよ」

「あっ そういえば俺の友達でさ、ずっとロングだったのに好きな奴がショート好きだからってばっさり切った奴いるんだよ」

「そうなの?」

「すごいよなーあんだけ長かったのにさ」

「そうなんだ…」

「みょうじは結局切んの?」

「パーマかけたり染めたりしてるから傷んでるから切りたいって言ったら切りたいけど…ショートって顔の輪郭わかるからなぁ」


本当は
切原くんがショートにすれば?
なんて言ったから切っちゃってもいいかななんて思った

でも もう一人の男子がそんな事言った後にショートにしようなんて言えなかった

遠回しに切原くんの事が好きと伝わってしまうから…


一応 ショートにしてしまう理由なんていくらだって出てくる



でも
何度もショートにすれば?
という切原くんは

私を少しでも自分の好みにしたいか、ら?



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