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この鼓動がもう
嘘をつけない

これ以上
嘘をつき続けたくない…


新しい私になりたい
丸井くんと一緒にいたい…

でも
いきなり変わるなんて 多分出来ない…


サッカー部より人気度の高いテニス部の丸井くんと
付き合うって知られたら

きっと
私はお母さんの教えた世界からははみ出してしまう…



「丸井くん…私、丸井くんのこと…」


多分
私は丸井くんのためなら
もう 何だって出来る気がするよ

ここまでやってくれたんだもん

…でもね
初めての我儘 聞いてくれる?


「なんだよ なまえ」

「私、丸井くんが…好き」


「きっと もう丸井くんと離れたら生きていけない」


「…でもね、こんなに私を思ってくれてる丸井くんを疑いたくはないの」


「けど…やっぱり不安なの…」



あぁ
早くしないと彼氏が校舎に入ってしまう

言うなら
今しかない 今逃したら

きっと
もう 抜け出せない


「私の最初で最後の我儘…きいてくれる?」

「…なんだよ?」


私は目を閉じてゆっくり開いた
視界は歪んで見えて丸井くんの表情がよくわからない


「この町から…抜け出そぉ?」

「っそれ、名案!」


丸井くんは金網を登り
私も登って 屋上の縁に立った

思ったより高くて足が竦んでしまいそうだったけど


丸井くんが私の手と丸井くんの手をネクタイでぎゅっと縛ってくれた



「俺はぁー!!みょうじなまえとぉー!!これからぁー ずっとぉー 一緒にぃーっ!!!ここからぁー…」


「抜け出しまぁーすっ!!!!」


「いーちっ!にーっ!さぁーーん!!!!」



私達の姿を確認したみんなは
顔を青ざめて騒ぎ立てる

あっ 彼氏もいた


私達は
一斉に飛び降りた

下から悲鳴が聞こえる


まるで 私達を祝福してくれてるみたい


…ナンテ、


「…なーんてな!この真下音楽室のベランダがあるっつーの」


end





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あきゅろす。
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