[携帯モード] [URL送信]

10000Hitフリー小説
Deathmatch((向日




寒い日ってのは
やっぱり昔ながらのこれしかない




【Deathmatch〜デスマッチ〜】






「寒いーっ!」


私は身を小さくしながら叫んだ


「しょうがねぇだろ もう11月なんだからさ」


それを隣でマフラーで口元を隠しながらズボンのポケットに手を入れて完全防備姿の向日が言うから腹が立つ


「でも寒いの っていうかマフラー狡い!」

「忘れたお前が悪ぃんだよ」

「マフラー貸してよ!こっちはスカートで足も寒いんだよ」

「無理!じゃあさ押し競饅頭しね?」

「は?なんで」

「だって押し競饅頭すると暖かくなるって言うだろ?」


いきなり言われてびっくりしていると
向日はどや顔してくるがやっぱりこいつは頭が抜けてると思う


「確かに言うけどさ此処で?」

「勿論」

「…向日馬鹿じゃん 此処階段だよ」

「…デスマッチ、だな」

「はあ?なんでこんな事で命かけなきゃなんない訳」

「なんだよ 元々名字が寒いって言ったんだろ?」

「だから!わざわざ階段でやる必要ないしもうすぐ外に出るでしょ」

「此処より外の方が寒いだろ?だから此処で暖まってからで」

「今すぐじゃなくてせめて階段全部降りてからにしようよ」

「別に楽しそうだから問題なし!」

「大問題です」


私は呆れながら階段を降りようとすると

向日はやらないと言ってるにも関わず私に体当たりしてきた


「何すんの 危ないじゃん!」

「もう勝負は始まってんだよ」


ニコニコしながら尚も体当たりをしてくる向日に
苛立ちを覚えた私は対抗して向日に体当たりをした



誰もいない静かな階段で二人の男女が押し合ってる姿は端から見たら凄く奇妙な光景だと思うけど

火がついてしまったからには後に引けない


「押っし競饅頭 押っされて泣っくな!」

「向日っ力強過ぎ!」

「押っし競饅頭 押っされて泣っくな!」

「わっ…!」


調子に乗った向日が勢いよく体当たりをしたせいで思わずバランスを崩してしまった


「名字っ……このデスマッチ 俺の勝ち…だな……今だから言えるけど、俺…名前の事が」


向日のカッコつけてる言葉なんか耳に入らず
階段の段鼻にかろうじて止まってるけどふらふらしているから
捕まるとこを探してると向日のマフラーが目に入りとっさに捕まった


「好ぅげぐっ…く、くるし…」

「うわわわわわ」


まだバランスが整わず尚も向日のマフラーを握るがそのせいでマフラーはどんどん向日の首を絞めてく


「ぐぐぅ…む、り…」

「ヤバいヤバいヤバい!落ちる」


首を絞められて苦しくなった向日は踏ん張りが効かなくなって
向日のマフラーに捕まってた私も支えがなくなって一緒に階段から落ちてしまう

恐怖に目を閉じた







「…ウス」

「…………ぁれ?」


いつまでも経ってもこない痛みに落ちる寸前に閉じた目をそっと開けてみる

そこには私と向日をさっきまでいた階段の踊場で受け止めてる樺地がいた


「なんで…樺地が此処に?」

「てめぇらのギャーギャーうるせー声が聞こえたから見に来たに決まってんだろ」

「跡部…?」


後ろから聞こえる声に首だけ振り返ってみると跡部が溜め息をついていた


「で、あんなに騒いで何やってたんだ?」

「向日がね私が寒いって言ったら階段で押し競饅頭始めてさ」

「馬鹿だろ」

「っ 始めにやったのは向日だったんだよ!?」

「とっとと帰れ、おい向日!いつまでものびてるんじゃねーよ」


私はすぐ樺地から降ろしてもらったけど
今だ起きない向日を跡部が叩いた


「っ……跡部 なんで此処にいるんだ?」

「俺だって好きでこんなとこ居る訳じゃねーんだよ イチャつくなら他所でやれ」

「なっ…」





((お前とこんなにくっついてられるんなら命かけても)

ギャグ..★
突如姉と思いついた話


081109


[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!