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雨 *雲骸


ザァ────…


「はぁ…最悪……」

朝は晴れていたのに昼から天気は崩れ
今はザァザァと音を立てて雨は降っていた
道端には何個も水溜まりが出来ている

雲雀は雨が嫌いだ
寒いし湿っぽいし
何より濡れる事が嫌い

雲雀が学校の出入り口の所で立ち尽くしていると
回りでは家族に傘を持ってきてもらう者、恋人達が肩を並べて一つの傘に入り下校している

「群れすぎ…咬み殺したくなる」

と云わんばかりの溜息をついた


数分した後に観念した雲雀は雨の中歩き始めた
そして校門を過ぎた頃


「ひばりくん!!」


雲雀は声の方を振り向いた

そこには、小さな赤い傘をさし黄色い長靴を履いた4・5歳の子が大人用の傘を握り締めて走ってくる

「どうしだの?骸」

骸と云う男の子は
蒼い艶やかな髪をフワフワと揺らし
朱と蒼のオッドアイをキラキラと輝かせながら近づいてくる

その時


「あっ…」


───ベシャッっ!!!


有ろう事か石に躓いてしまい水溜まりの中に入ってしまった

「うっ…ぅっ…グスっ…」

骸はたまらす゛泣き出してしまった

雲雀はすぐさま骸の所に駆け寄り小さな躯を救い挙げた

「ひばりくん…ごめんなさい‥傘が……ヒクっ…」

「迎えに来てくれたんだね ありがとう」

傘を水溜まりに落としてしまって申し訳無さそうにしている骸をよそに雲雀は笑顔を向けた
骸もつられてニコっと笑顔を返した


「さぁ 帰ろう…」



────…‥



小さな赤い傘を骸がさし、その骸を雲雀が抱え
雨に濡れた蒼と黒の髪は揺れていた


「ひばりくん!僕が大きくなったら、ひばりくんのお嫁さんになります!!」

「ワォ!それは嬉しいね」

「お嫁さんになったら毎日美味しいご飯を作ってあげます!毎日ひばりくんの帰りを待ってます!雨の日は傘を持ってきてあげますね?そして毎日お帰りのチュウもしてあげます!!あと、ェッチも…」

「楽しみにしてる」


気付けば降っていた雨も止み辺りはキラキラと輝いていた



──結婚式はこんな雨上がりの日でもいいかもね──




fin

.

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あきゅろす。
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