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たまに、もし自分が違う道を歩んでいたら今頃どうなっていたんだろうと思うことがある。
少しでも違ったら。例えば、ハルカと初めて会ったあの場所がプライベートビーチじゃなかったら。もちろん僕はいない。ただでさえハルカたちが来るという確率はそれほど高くないのに、あの場所でなかったら…。
僕はきっと、ハルカに出逢わなかった。
だから僕は、あのときあの場所にいた自分と、あそこに来たハルカに心から感謝したい。
ふとハルカを見ればなにやらぼんやりしている。

「ハルカ?」
「…え、?あ、ごめんなさい」
「考え事かい?」
「ふふっ、まあね!」
「珍しいこともあるんだね」
「ちょっと!失礼かも!」

ほんの少し、顔を見合わせて、

「ふふっ」

二人で笑いあえる。

こんな些細なことだけど、僕にとっては幸せなんだ。






090727




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