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「シューウ!」
「サトシ君…?」

彼の周りにはいつものメンバーはいなかった(あのピカチュウでさえも)。恐らく街で単体行動をとっているのだろうが…なんて偶然だ。いつもなら真っ先にハルカに会うのに。

「よっ、久しぶりだな!」
「ああ、そうだね」
「コンテストは順調か?」
「まあまあかな。君はジムはどうだい?」
「順調に進んでるぜ!あ、ここで話すのもなんだし、ハルカお勧めのカフェにでも入らないか?」
「…ハルカの…?」

ハルカのことだからどうせ街のグルメの予習でもしたのだろう。全く美しくないね。

「ここだ!」
「へぇ…」

彼女にしてはセンスが良い。シックな色で統一されていて、調度品もアンティークで揃えてある。

「なぁシュウ…」
「なんだい?」
「さっきっからハルカのことばっかり考えてるだろ」
「え…?」

サトシ君の顔を見れば、どこか拗ねた表情をしている。一体彼はどうしたのだろう?

「オレさ、久しぶりにシュウに会えてすっげー嬉しかったんだ」
「…」
「だからハルカに聞いてたこの街一番の店に来て…」

淡々と、ぽつぽつと、言葉を紡ぎ出す。よく聞けば、なんとなく、サトシ君の気持ちが分かってきてしまったが、これは…勘違いだろうか?

「オレはシュウが…!」
「サトシー!あれっシュウ?」

サトシ君がなにかを言いかけたその時。タイミングが良いというのかなんというか…とにかく、ハルカたちがやって来た。

「もーう、サトシったら私が教えたお店シュウに教えちゃったの?サトシとシュウに先に入られてちょっとショックかもー」

彼女の言葉に場は一気に和んだ。サトシ君も笑っている。…一体さっきのは…まぁ、今は気にしないでおこう。久しぶりに再会したライバルたちとの交流を楽しむとしよう。






090525





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