「空と僕、どっちが好きなんだい?」
マツバのいきなりの問いにハヤトは頭上に疑問符を浮かべた。いきなりこんなことを言われれば、誰だってそうなるだろう。
しかしマツバはハヤトが疑問符を浮かべていることに気がついていない。何故なら彼は嫉妬心でいっぱいだからだ。彼は嫉妬している。空に嫉妬しているのだ。
「君は空ばかり見て僕のことは見てくれない」
「そんなことない」
ハヤトはマツバを愛している。彼なりに愛を注いでいた。空を見ているのは子どもの頃からの癖と、憧れ。だから空への気持ちは決して愛ではないのだ。
「それなら証明してよ」
「、何を…?」
「君が、ハヤトが、空より僕を愛しているということを」
「どうやって…?」
愛の証明とは、難しい要求を突きつける。
ハヤトは思わずため息を吐きたくなったが、もし吐いたらマツバの機嫌が悪くなり更に面倒なことになるに違いないと、すんでのところで止めた。
「そうだなあ…」
口元に手を当て考えを巡らしている様子のマツバの姿に、ハヤトは見惚れた。
「それじゃあ、僕の家で一週間、暮らしてよ」
「…へ?」
正直拍子抜けだ。
しかしそれで証明することができ、尚且つマツバを納得させられるのなら喜んで彼はマツバの家に何週間でも暮らせる。
その間のジムはまあなんとかなるだろう。
「よろしく、ハヤト」
「ああ、よろしく」
愛の意味を教えて
(愛を証明しろなんてただのこじつけ)
(君と一緒に過ごしてみたいんだ)
100704
title:ひよこ屋さま
::ものすごく謎な話しになりました…。
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