ただ今私たちは小川のほとりで休憩中。天気も良いし空気も良くて、最高のピクニック日和!だから私はタケシにお弁当を作ってもらってポケモンたちと楽しむことにした。サトシはポケモンたちと特訓で、タケシもそれに付き合うことになっている。
「じゃあちょっと遊んでくるね!」
「ああ。夕飯までには戻ってくるだろ?」
「もちろん!行こう、ポッチャマ」
みんなをボールから出して自然を楽しみながら歩いていく。
しばらく歩いたらお腹も空いてきたのでレジャーシートを広げタケシに作ってもらったお弁当を置き、タケシ特製のポケモンフーズもみんなにあげる。
そんなときポッチャマが急に騒ぎ出した。
「ポッチャマ、どうしたの?」
何かを威嚇しているようで、何が来るのか分からないのが怖い。だけど現れたのは。
「シンジ?!」
「なんだ、お前」
サトシのライバル、シンジ。まあ、威嚇する理由も分かるかな。
「天気が良いからポケモンたちとピクニックしてるの。シンジもどう?」
「フン、相変わらずヌルいな。そんなことをしたってポケモンが強くなるわけないだろ」
「分かってないなー。あのね、ポケモンとの交流も強くなるためにはすごく大切なんだから!」
シンジが私たちと一緒にピクニック、なんてするはずがないのは分かってたけど…たまにはポケモンたちに息抜きさせてあげてるのかな…。
「…お前、何でそんなに暗い顔をしているんだ」
「え…?」
暗い顔…?
「…丁度腹も減っていたところだ。少しくらいならここにいても…良い」
「シンジ…!」
そう言ってボールからポケモンを出した。シンジも良いところあるじゃない…!
「ありがとう!」
「お前に礼を言われる筋合いはない」
「何よー!せっかくお礼言ったのに!」
「フン」
シンジのポケモンにもフーズをあげた。嬉しそうにしていたから、やっぱり誘って良かったと思った。
「…何だ、これは」
「え?…うっ」
それは、タケシばっかりに頼むのも悪いと思って私が作ったものだった。
「…おいしくない…?」
「ああ、不味いな」
「そんなにハッキリ言わなくても…」
「そっちのは悪くないのに何故これはこんなに不味いんだ」
むっかー。シンジが悪いわけじゃないけどちょっとムカッときた。
「何よ、2回も言わなくて良いでしょ!」
「どうしてお前が怒るんだ」
「お前じゃありません、ヒカリですぅー!」
「もしかしてこれだけはお前が…」
「そうよ!どーせ私は料理下手よ!」
「ああ、下手だな」
その後もギャーギャーと言い合いをしていたら、途中で私とシンジのポケモンたちが止めに入った。それが無性におかしくて笑っていたらシンジの表情も一瞬和らいでいたように見えた。
「俺はもう行くぞ」
「う、うん!ありが…」
「少しは料理の練習でもした方が良い」
「余計なお世話ですー!」
一瞬のトキメキを返せ!
(バカにされたけど…)
(シンジの意外な面を見れて良かった)
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