※キス有り
※捏造有り
「ホムラ様っ!」
「?!」
マグマ団の女の下っ端団員がいきなり抱きついてきた。こんなことをする団員はいなかったはずなんだが…。
「何か用か」
「いえ、別に。ただホムラ様に会いたくて!」
「私は忙しいんだ。こんなことをする暇があるなら少しでも多くのデータを集めたらどうだ」
「は、はい!すみません!」
走り去る団員を見送りながら自分もデータ集めをしようと思っていた矢先、先ほどの団員がこけた。仕方なく手を貸す。
「大丈夫か?」
「はい!…ッ…!」
どうやら足を捻ったらしい。全く…。更に仕方なくマグマ団専属医師のいる場所へ連れてってやることにした。
が。生憎医師は不在だった。
「ここで待っていれば直に医者が来るだろう」
そう言って仕事に戻ろうと、きびすを返したとき。何が起こったのかよく分からなかった。いつの間にか天井と、女団員の顔が見えた。
「な、…?!」
「帰らないで下さい」
「いい加減にしろ!私は忙しいとさっきも言っただろう!」
この団員はクビ決定だ。そそっかしいし、上司にこんなこと…。
「ホムラ様…知ってます?…目に見えるものだけが真実とは限らない」
「!その言葉…」
次の瞬間、目の前にいるのは弱々し気な女団員ではなく、派手な男になった。
「バンナイ…!」
「あんたは相手が女でも冷たいんだな」
「当たり前だ。仕事が一番大事だろう」
「その点オレは仕事が出来すぎて安心だろ?」
「私にこんなことをしなければな、」
確かにバンナイの仕事の出来の良さは関心するが。
「これも実力試しだ」
「実力試し?」
「オレが女に変装すると見破るヤツがいたんだ。だからそんなヘマはしないようにこういうことやって極めてんだよ」
「それと私を押し倒すのとどう関係が…」
「ああ、それは単なる好意」
「…は、…?」
その言葉にフリーズした。
「それは、どういう…」
こんな体勢じゃ、どういう意味もなく、つまりはそういう意味なのだろうが、まさかこいつが私にそんな感情を抱いていたとは思ってもみなかった。何より、同性だ。
「どういう意味かって?こういう意味だよ」
そう言うと、いきなり顔を近づけて…
「―!」
口を付けてきた。いきなりのことに目を見開くことしかできないでいたが、なかなか口を離さない。さすがに抵抗した。
「女の格好でやられたかったか?」
「…何を言っている!ふざけるのも大概にしろ!」
「オレは本気だぜ」
あまりの真剣な表情に口をつぐむ。
「必ず惚れさせてみせる。覚悟していろ」
いきなりの宣戦布告。
私の苦労は更に増えることとなった。
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title:rimさま
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