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朝、目が覚めたら隣にいたのは驚くことに、僕自身。違うのは服装だけ。…まだ夢の続きなのかな?やけにリアルだけど。
おそるおそるつついてみれば、もう一人の「僕」はパチッと目をあけた。

「やあ」

「僕」が言った。僕は何も言えない。硬直しているから。

「あの、君は誰だい?」

やっと出た言葉がこれ。答えは分かりきっている。向かい側の男も紛れもなくマツバなんだ。

「マツバだよ」

ほらね。

「でも、僕が2人いるなんて…」
「ああ、僕は別の世界のマツバなんだ」

まさかのファンシーな発言に相手の顔をまじまじと見つめてしまった。え、何、別の世界?そんなものがあるの?それってつまりパラレルワールドっていうやつ?それならその世界からどうして、どうやってこの世界にきたの?
いくつものクエスチョンが脳内を駆け回る。

「そんなことよりさ、君、ミナキ君とはどんな感じ?」
「ミナキ君?友人だけど…どうして?」

そんなこと、で済ませられる問題ではないと思うけど、いきなりの質問につい気になって答えてしまった。

「へえ、こっちじゃ友人止まりか。いや、僕の世界じゃミナキ君は僕の恋人だから」
「こっ…?!」

自分でも顔が赤くなるのが分かる。ミナキ君が恋人…そうなれば良いとは思っているけど今の関係を壊したくないから友人止まり。

「こっちの世界のミナキ君にも会っていこうかな」
「そ、それはダメだよ」

妖しく笑うもう一人の自分に何だか嫌な予感がして慌てて制止の言葉をかけた。

「なんで?僕が会えば君と恋人になれるようにしてあげられるのに」

きっとこっちのミナキ君も向こうの彼と同じだろうからね、なんて続ける「僕」に僕は畏怖の念すら抱き始めていた。

「それは、…自分でやれるさ…」
「ふーん…ああ、そろそろ時間みたいだ。それじゃあまたね、もう一人のマツバ」

気づいたら部屋には僕一人だった。やっぱりあれは夢だったのかな?不思議なこともあるんだね。



(ミナキ君に告白…できるわけない)
(今頃弱気な僕は悩んでるんだろう)


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::弱気なマツバはリメイクで弱気じゃない方はリメイク前な感じです
title:rimさま




あきゅろす。
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