「シュウってさー、なるしすとなのか?」
「?!」
彼のいきなりの発言に僕は食べ物をつまらせてしまった。
「ごほっごほっ!」
「だ、大丈夫か…?」
僕は逆にきみに大丈夫かと聞きたい。目の前の彼なら「ナルシスト?新種のポケモンか?!」などと言いそうなものを。一体どこでそんな言葉を覚えたのやら。それ以前に…
「僕はナルシストじゃないつもりだ」
「へーえ…」
「だいたいきみは言葉の意味を知ってるのかい?」
「知らない」
ガクッと崩れそうになるのを堪えるのは至難の業だった。
「じ、じゃあいきなりどうしてそんなことを…?」
「いやあ、誰かがそんなようなことを言ってたから気になって」
世間じゃ僕はナルシストなのだろうか…?そんなつもりは甚だ無いのだけれど。
「なるしすとってなんだ?」
「全くきみは…ナルシストはまあ簡単に言えば自惚れや、だね」
「そっか!じゃあシュウは違うな!」
サトシくんの笑顔に一瞬、鼓動が早くなった気がした。
Innocente
(無邪気な君に心惹かれた)
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