街はクリスマスのイルミネーションで飾られ、クリスマスソングがあちこちから聞こえてくる。ここ、コガネシティは大きな都市なだけに、それに一際力が入っている。そんな中、一人の少年が寒空の下、噴水の前に佇んでいた。
(遅すぎる…)
時計を見上げれば、約束の時間から既に30分は経っていた。
「ごめーん!」
前方から少女が来るのを認め、安堵のため息を吐いた。しかし少年は心配していた素振りを少女に一切見せずただ「遅刻なんて美しくないね」と嫌みを言った。
「だって洋服を選んだり色々してたから…」
俯きながらそう言う少女を心底可愛いと思っているのだが、天の邪鬼な少年はそのようなことは言わない。
「…まぁいつものことだし仕方ないか。さぁ、行こうか?」
少年は自然に少女の手をとり歩き出した。街に流れるクリスマスソングが二人にぴったりだった。
この手は離さない
091218
title:ひよこ屋さま
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