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今日はついてない。ラムダがいないからと言って、アポロさんの菓子の買い出しをさせられているからだ。ロケット団内最も冷酷な男の私がなぜ、こんなことをしなければいけないのだ。

頭の中には文句ばかりが浮かんでは消え、の繰り返しだったため、周りが見えていなかった。だから、いきなり視界に入った男を避けきることができず、衝突。

「うわっ!」

男はこけた。電話をかけていたのか、男の手から放たれたポケギアから声がした。どこかで聞いたことのあるような…。

「すみません」
「良いんだ、気にしないでくれ。ぼくも電話に夢中で気づかなかったんだし、おあいこだね!」

そう言って男はポケギアを拾い「また後でかけるね」と言い、電話を切った。

「ポケギア、壊れてなくて良かったです」
「え?ああ、そんなに柔じゃ困からね」

…なんとも気まずい。そう思っているのは恐らく私の方のみ。ジャグラーの男はなにやらニコニコしている。

「ぼくはマイク。きみは?」

…仮にもロケット団幹部。簡単に名乗って良いものか…。躊躇したが、この男に名乗ったところで害などなさそうで、結局答えた。


「ランスです」
「ランスか、よろしく!」

手を差し出された。握手、か。その手を握るとマイクは上下にぶんぶんと振った。正直、彼とはもう2度と会う予定はないのでよろしくされても困る。
それに早く菓子を買ってしまわなければアポロさんにどんな嫌味を言われるか。

「それでは私はこれで…」
「せっかく会ったんだしポケモンバトルした後喫茶店でも行こうよ!」

面倒なことになった。

「悪いんですが、私はポケモントレーナーではないんです」
「気にしない気にしない!それ言ったらぼくだってジャグラーだよ」

あはははと能天気に笑う男を見て苛々感が増したのは言うまでもない。私は急いでいるというのに…!なんてしつこい男なんだ…。






091117
::なんて微妙な終わり方!




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