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波の音にキャモメの鳴き声。今日もムロタウンは平和だ。
ムロのジムリーダーであるトウキは、挑戦者もいなく暇を持て余していた。そこで、ムロを散歩していたのだ、が…。

「よぉ」

目の前に現れたその男は以前会ったときとは服装こそ違うものの、見間違えるはずのないルックス。

「…マグマ団…!」
「ホカゲだ」

そう、かつて敵として戦ったマグマ団幹部のホカゲ、その人だった。

「マグマ団がなんの用だ?」
「つれないやつだなぁ」

これ以上話していても無駄だ。そう思ったトウキはきびすを返し、ジムの方へ向かった。が。

「待てよ」

腕を掴まれ進むに進めず。

「オレさ、あのバトルの後、なんかがこう…きてさ、ずっともやもやしてたんだけど…やっと分かったんだ」
「…?」
「お前が好きだ」
「…」

ホカゲの言葉に硬直するトウキ。そしてやっと出たのは「はぁ?」だった。

「オレは男で…お前も男だろ…?」
「そうだな。だけど恋に性別は関係ないぜ」
「…だいたい、そんなことを言われてもオレはお前らの組織がやったことを許す気はないし、ましてやその組織の幹部だったやつなんか…」

好きになるわけがない。
きっぱり言い放った。

「今のオレはただの男だ」

なんてやつだ!トウキは頭を抱えたくなった。

「今は無理でも必ず惚れさせるぜ」

ニヤリと笑ったホカゲに不安が募るトウキだった。




(あ、オレ今日からムロの住民だから)
(はぁ?!)
(今まで家なんて呼べる代物はなかったんだがやっと出来たみたいだ)
(…やっと平和になったと思ったのに…)


090315
title:rimさま




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