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あぁあ……ツイていない。
今日は休日だから、兄弟達とのんびり過ごす予定だったのに…。
大好きな兄達や弟と妹の顔を思い浮かべながら、私の気持ちとは裏腹に清々しいほどの青空の下を、不機嫌さを隠しもせずに歩いていく。
「まったく……私1人にベースを探させるとは、本当にいい度胸をしているな…彼奴等」
結局、メンバー全員と連絡を取ったらその全員が口を揃えて、『リーダーよろしく』などと言ってきおった。
他人任せか…。
そう溜息を吐くも、今のメンバーも私が見つけ勧誘したり、他のバンドから引き抜いてきたりしていて、ベースも自分がいいと思った人物でなければ納得できないのだから、まぁいいか。
なんて思う反面。
(面倒だ…)
そう思ってしまうのは、性格の問題。
第一、勧誘し引き抜いてくること自体大変だし、いいベーシストを見つけてくるのだって難しい。
多少なりとも面倒な気分にもなるさ…。
半ば自棄を起こし、「ギターを見つけてベースをやって貰うか」なんて上の空で考えていた時、何気なく見遣ったショーウインドウに自分の姿を見つけた。
あの3人が騒いでいただけあってか、自分でも今の髪色は不思議としっくりきている気がした。
これであとは、瞳の色を変えてみたらもっとしっくるくるだろうか。
なんて、微笑が零れる。
だのに、足りないと感じる、何か。
(……なにか…)
銀糸に触れて、あの違和感を再認識。
(…なにか)
きっとこれはただの気の所為だと笑い飛ばしてしまうには、自分自身が納得いかなくて。
(――――……だれ、か…)
足りない。
『――……ーリ、』
刹那、弾かれたように背後を振り返れば、そこは柔らかい陽射しに包まれた長閑な公園で。
考えるよりも先に、足が勝手にそこへ向かっていた。
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