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ターニケット‘H’2


「やめ、あ、あ…」

剥き出しの亀頭を舌先でぐりぐりいじめられて、ものすごく気持ちいいにも関わらず、雲雀は懸命にかぶりを振った。
お尻を浮かせ、快感に耐えながら沢田を睨む。

(こんな抵抗、なんの意味もなさないコトくらい、僕が一番よく知ってるけど)

「さわ、だ、やだ」

今にも射精してしまいそう。
沢田は何が楽しいのか、身を捩る雲雀を上目遣いに見てニイッと目を細める。

「きれいにしたげてるだけなんですけど…もしかして、感じちゃってます?」

ピタリ、愛撫が止んで絶頂はお預け。
すぐにでもイカせて貰えると思っていた雲雀の物足りなさそうな表情は、沢田の嗜虐心を満たすに違いない。
(心外すぎる)


雲雀は完璧に沢田の手のひらの上で転がされていた。



「…なぁんて」

「意地悪すると後で咬み殺されそうだから、楽にさせてあげましょうね」
「ああっ!?」

沢田の骨っぽい細い指が雲雀のソレに絡み、少し乱暴にしごき出す。

「っ、それ、だめっ、」
指の腹でカリ首をいたぶられると、雲雀は言葉とは裏腹な歓喜の悲鳴をあげた。

同時に流れた先走りを掬うように、性器の付け根、双球、そして後ろの蕾までの柔らかな溝を沢田の舌が這い始める。
其方はあくまでもゆっくり、ゆっくりと何往復も。
ひたすら雲雀を追い詰める。

「ん…はっ、く、…はァ…は…」

皮膚がもっとも薄い敏感なソコを熱く濡れた舌で愛される感覚は、彼の理性を突き崩した。
(浅ましいなんて、誰にも言わせない。こんなことされたら、10人中10人、沢田綱吉の虜になるはずだ、)

地面で喘ぐ金魚さながら、雲雀は天井に顎を向けて、くちをパクパクさせる。
苦しいくらい気持ちが良すぎて。
何も考えられない。

不規則にびくびく跳ねるからだ。
沢田の、わずかな動きにも反応してしまっているが羞恥を感じる余裕すらなかった。

「さあ、イキましょうね、」

雲雀がいよいよ吐精寸前なのをお見通しであろう沢田がぱくりと先端部を咥える。
「っ…!?」
尿道口をググッ、と舌でつっつかれると雲雀は目を見開いた。

「ひ、っひぁあアーッ!?」

強力な吸引に、雲雀の喉からあられもない悦声があがる。

「ああっ…あ!」
いとも簡単に、雲雀のペニスからは尿の残滓が混じっているであろう淫水が噴き出し、それは一滴も残らず沢田に吸われた。
やたら大きいゴキュ、という音が静かな部屋に響く。

「ごちそうさまでした、ヒバリさん」
ぺろり、沢田の赤い舌が、薄い桃色をしたくちびるを舐めた。


「…ぁ、が、……は……う……」

呼吸が整わない雲雀のくちびるは、意味のない音を発している。
たった一度の口淫でこんなにまで忘我の域に連れてかれるのは初めてだ。

「きれいな顔がぐしゃぐしゃですよ、ヒバリさんたら…涙もヨダレもいっぱいだして、」

ヤツはひどく酷薄な表情をして雲雀を蔑む。
「ほんと、からだ中の穴にしまりのない人なんですね…」


(こんな冷たい顔もできるのか、こいつは)

この特殊な関係がはじまる前には、人当たり柔らかな愛くるしい沢田綱吉しか知らなかった。
今また、人を監禁する趣味の他、新たに発見した彼の見知らぬ一面に雲雀は心底ゾッとする。
(或いはこれが沢田綱吉の本性かもしれない)

沢田はその冷たい笑顔のまま近寄ってきた。
「ねぇ…俺ね、続きしたいなぁ」

「でも、これ以上はディーノさんに悪いかな、とも思うんですよね」


(なんで、僕と跳ね馬のこと)
思ったがすぐ納得した。
沢田はヤツのまわりの人間すべてを、抜かり無く見抜いているに違いない。

「ヒバリさんもイヤでしょ、俺なんか、」
言いながらも、意味ありげにわき腹をつうぅ…ッと人差し指で触れてきた。

「ヒバリさん?」

さっきの、この世のものとは思えないほどの快楽を匂わせる動きに、からだの奥から熱がよみがえる。
無意識に腰が揺れた。

「イヤならイヤって言ってくれていいんですよ?監禁したうえ無理矢理ヤる、なんていくら俺でもそんな卑劣な真似したくないですし。それに、ね」

「ぅ、…んん…」
頬を包む沢田綱吉の手のひら。
雲雀のより小さいそれは、上気した雲雀の頬には冷たくて心地良かった。

「ヒバリさんを閉じこめるのは、単に俺がヒバリさんと一緒に居たいからってだけですからね。土日のあなたを独占してる現状に俺は満足してるんです」


するり、沢田の手が離れる。
(いやだ、僕は、満足なんかしてないのに)

(もっと触って)

「…そろそろご飯持ってきましょっか?」

(―――最低だ、こいつ)

沢田綱吉は分かっているはずなのだ。

(軽く触れるだけの指先に、冷徹なその琥珀に、)

(僕が欲情してることを)

「沢田、」
「はい?」
今日の晩ご飯は、シチューなんですけどいいですか?
、なんて。
(どうでもいいよ)

「僕…が、つ、づきしたい場合は、どうしたらいいのさ、」

問えば、さっきの肉食獣みたいな目つきを引っ込めて、いたずらに微笑む。
雲雀の四肢の束縛をほどき、沢田は言った。

「誘ってくださいよ。俺を乗せるのなんかヒバリさんなら簡単ですよ、きっと」

誘い方なんて知らない。
ディーノはそんなの教えてくれなかった。
けれど、雲雀が拒めば沢田綱吉は容易く引き下がるのだろう。


…プライドなんてとっくの昔にへし折られた。

(火照ったからだを持て余しながらこいつに夕御飯の世話をされるくらいなら)
決断は早かった。



雲雀は沢田綱吉から顔を背け、まぶたをキツく閉じると、自由になった両足を折り曲げて膝を開いた。
桃色に上気した、男にしては幾分肉付きの良い柔らかな太ももを支える片手は、震えている。

(何て惨めな姿なんだろう、この僕ともあろう者が)

熱をもたげる恥部を自ら広げて、人の目に晒すなんて初めてだった。

「…きみの、好きにしてよ…」

「ふふッ!」
沢田が笑う声。
「かわいい。それ、スゴくそそられるかも、」

気配が近づいてきて、薄く目を開ければ、沢田が大きな琥珀をぱちくりして雲雀の先ほど達したばかりのペニスを観察していた。

「……っ、」
両膝は開け放ったまま、シーツを掴む指に力をこめる。
恥ずかしくて、気を失ってしまいそうだ。

「ヒバリさんの大事なところって、色が綺麗ですよね?」

「それにとても敏感なんですね〜。触ってないのに、ピクピクしちゃって…あはッ、今もとくんって脈打ちましたよ、ほら」

ペニスの裏筋を人差し指一本で上下に擦られる。
そのまま形をなぞってゆき、雲雀の腫れた陰嚢をぷにぷに押して感触を味わっている沢田は、実に愉快そうだ。

けれども、一向に核心に触れない動きに雲雀の方はずいぶん翻弄されている。

「ふ…ぅっやだ、さわだ…も…いやだ」

「あれ。イヤなの?」

沢田綱吉は妙に残念そうな顔を作って、雲雀を伺った。
瞳の奥には確信めいた嘲笑が浮かんでいるのに。



「………はやく、続きしてくれないと、イヤだ、さわだ」

(焦らされるのは、もうたくさんなんだ)

涙を流して沢田の慈悲を乞うた時、すでに雲雀の脳裏には愛してくれた家庭教師への罪悪感すら消えてしまっていた。







***



ひばりさん。
ディーノ兄さまとは百合カプだし、甘えん坊してるだけだからそもそも浮気じゃあないのさ、ツナに惹かれてメロメロなのさ、

…という風にしたら、かわいいヒバリちゃんと黒ツナになるだろうと思ったのに。

単にいぢめっ子ツナ様のふぇらてくに魅了されたMな淫乱ヒバリちゃんになっちゃった…んですよね。
ツナ様がてくにしゃんなだけじゃなく、ほんとはディーノさんのテクがあんまりなかっただけなんですけどね!
ロマさんが見てたら話は別だけども。


終わらなかったのでターニケットはあともう一回あります。

おまけみたいなの。

ありがとうございました。



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あきゅろす。
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