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ベビーフレーバー:2

「ランボ、イーピン、風呂はいるぞー」
「うきゃきゃきゃ!ランボさんまだ遊ぶんだもんね!」
「ランボ、まつっ!」
「こらランボ!裸で走るなって」

面倒くさいなー、俺疲れてんのに!
走り回るランボを捕獲して風呂場に放り込んだ。
「ぐぴゃ!」
「あっ大丈夫か!?」
ちょうど着地する場所にあった水たまりに足をとられたランボはコロンと転がってしまった。

「ごめんごめん、」
「が・ま・ん!」
泣きべそランボをあやしながら鼻を押しつけたらランボのオデコは汗臭かった。
イーピンはなんかラー油みたいな香ばしい匂い。

我が家のチビ達ですらミルク臭から卒業してるのか……俺は愕然とした。


なんてこった。
リボーンに話したら「チチくせーなんてダメツナにはお似合いじゃねえか」なんて鼻で笑いやがるし、今日の恐怖体験(友人と先輩から無理矢理抱擁のセクハラ2件)で体中に寒気するし………
とりあえず、湯たんぽ代わりにランボ辺り抱っこして寝るか。

遊び疲れてすっかり寝こけてるランボをひっつかんで、ベッドに潜る。
子ども体温が心地良い。
いつも寝てれば可愛いのにな。
天使だ天使。
黒い巻き毛に顔を埋めると今度はシャンプーの香りがした。


ランボの癒やし効果は絶大で俺はすぐ眠りに落ちた…


ところが真夜中。

「んっ…?」
っゾクゾクする……なんなのこの寒気!?
まるでアイツの気配を察知した時のようだ!
あったかくして眠ったはずが俺はブルブル震えて目覚めた。

ううっ、たまらん。
ランボを抱きしめねば!
そう思って隣りにある体に腕を回したら………

ランボの体デカッ!?
固ッ!?

「クフフッ…積極的ですねボンゴレ」
「ぅひゃあああ!?どっどこから入ってきたぁああ!」
俺の腕の中には、さっき脳裏によぎったアイツ―ヘンテコパイン―別名:六道骸が頬を赤らめて、はにかんでいた。
「リボーン!リボーン!起き…っ」

『パァンパァン』

天井から下がるハンモックに助けを求めると銃声が二発。
俺の横を掠めて壁に穴2つ。
人の家で居候してる分際でこの仕打ち…当の居候は鼻提灯を出して惰眠を貪っている。
「……」
「さあさっ、寝ましょう寝ましょうボンゴレ!アルコバレーノを起こしちゃいけません」
骸は嬉々として俺を布団の中に引きずり込んでくるし。

「ちょ…離せって!お前となんか安心して寝てられない」
「おやおや、僕信用ないんですね。大丈夫、何もしませんよ。君さえ大人しく僕のおっぱいを吸ってくれれば」
「日本語喋って骸、俺さっぱり理解できない」
「くふーん…イイ匂いですねボンゴレ…赤ちゃん独特のミルキーな香りが堪りません。この匂いで僕の中の母性本能が目覚めてしまったので責任とって乳首吸ってください。ああ…君は寝顔も可愛くて子ども体温が癒やし効果抜群です。天使だ君は……」
「俺の中のランボと同じ扱い!あ、そういやお前ランボどこやったの?」
骸の胸を必死に押しやり下を見ると無残に床に落ちてるランボが。

俺は素早くランボを拾い上げて、俺と骸の間に押し込めた。
幸い起きてない。

「なんて可哀想なコトすんだよ骸!」
「だってだって…邪魔だったんですぅ…」
「今更キャラ変えて可愛く唇尖らせても駄目」
「ボンゴレが僕に冷たい…獄寺隼人や雲雀恭弥には抱っこさせてたじゃないですか…とりあえず僕のおっぱい吸ってください」
「そんなトコからずっと見てたの?今日普通に学校あっただろお前も。ストーカーなの?とりあえずお前のおっぱい吸わない(なる程、一日中感じた寒気は骸の視線が原因か)」


「…契約しますかっっ?」
「イヤです!」
ギンッと骸の両眼が開いて紅い瞳に浮かぶ文字がランダムに一から六までカシャカシャ変わりだしたので俺は戦意を喪失した。
だって疲れてるんだ。
今死ぬ気で戦って怪我するより、乳首吸ったらコイツ帰るみたいだから…諦めて、吸うよ……

「…ランボ抱っこしてても良い?」
「しようがないですねぇ、まあヌイグルミみたいですし、構いませんよ」

骸がウキウキ弾む声で答えて上着を捲った。
白い肌に2つ並ぶ桃色の乳首。
凄く綺麗な体だけど…勿論、男だから膨らみはない。
しかも何かげんなりする程、骸の乳首立ってんですよね。
なんでギンギンに尖ってんのコレ?

「あ、母乳ほんとに出せますよ。ボンゴレがご希望ならば幻覚でおっぱいの膨らみも作りますが」
「あ、結構です。これ以上余計なコトしないで」
あ、ではせめて、もっと立たせましょうか?と骸は手のひらで自分の乳首を擦り出したので、俺は恐怖でしゃちこばってしまう…

その夜俺はただ流され。ランボを抱いたまま、突然現れて授乳を強要して来た変態・骸の乳首を吸いながら眠る羽目になったんだ。

試しに本当におっぱい飲んでやるか、と思いっきり吸ってやったら、母乳を勘違いしてる骸は「マーミィ味」のミルクを出しやがった。
マーミィ嫌いじゃないから良いけど、チューチュー俺が吸い付く度に「んっ…アンっ…」って骸が小さく声を洩らすから腹が立って仕様がなかった。

こんなん寝れるかっ!!

フゥ太の言ってた俺が断れない性格だって、真実だったんだなあ…………



明くる日。

何の変哲もない朝が始まったようだが、山本のスキンシップがやや激しくなった気がする。

獄寺くんは俺に宿題を写させてくれたが俺がノートに目を落としている間中、バレないよう時々そうっと顔近づけて匂い嗅いでた。
雲雀さんはと言えばあれから、校門での取り締まりで会うとかつてない生温い優しい眼差しを俺に向けてくる。
たまにお互い1人の時には、黙っておちち飴をくれて、頭を撫で撫でしてくるようになった。
俺、別におちち飴で体臭保ってる訳じゃないんですが(雲雀さん怖くて断れないよ)


けど、一つだけ良い事もあった。
「ツナくん、ツナくんのオデコから赤ちゃんの匂いするって本当?」
京子ちゃんがキラキラした笑顔で、恥ずかしそうに、俺の匂いかがせてって!
子供って思われたくはなかったけど京子ちゃんは
「ツナくん可愛い!私、この匂い、好き」
って言ってくれたので俺は舞い上がってしまった。

まあその時、山本が黒山本に変化したり獄寺くんがダイナマイト握り締めたり、雲雀さんが教室のドアの影からギラリとトンファーを光らせたりしたことも知らなかったから。

俺の知ってるのは、夜に骸が
「あの女の乳首を吸うなんて許しません!どうせなら僕の乳首をまさぐり吸いなさい!」
って押しかけてきたので、リボーンに小言弾撃ってもらって追っ払ったことだけ。
どうせまた来るんだろうな骸。

ちなみに俺はこのベビーフレーバーを消そうと兎に角カプチーノをしょっちゅう飲むクセをつけた。

早くコーヒーの匂いのする大人の男になりたいな。








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オチなかった。
ごくつな、つなひば、つなむく成分に山つな、まさかのつなラン要素も加えてみました。


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