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フェティシズム2

(えぇー…雲雀さん、おちんちん勃起させてるじゃん。どうすんのコレ、困るよ勃起なんかされちゃあ……)

薄情なツナは迷惑そうにその下着の隆起を見やり、気を取り直して太ももの肉づきを愉しむ。
むちっとやや肉感的な、男の子のわりに脂肪がそこそこついた腿の魅力に、翻弄されてしまいそうだ。

「っ、…さわだ…焦らすな!」
「イダッ」
ゴツンと一発、拳を脳天にくらい、ツナは問答無用で雲雀を慰めなければならなくなった。

(面倒くさいなぁ、もう!)

雲雀の秘部を覆っている下着を無造作に引っ張り、いきり立つものを解放してやる。
下着の脇から、ぴょこりとピンク色の性器が飛び出してきたので、間髪いれずに握り込んだ。

「あぁッ、」

下着をズラしていじられるのが好みなのか、雲雀の小さな性器が小さいなりに、また一回り大きくなった気がする。
そのまま大ざっぱに手を動かし、ツナは尻と腿の境目を揉んだ。
微妙な弾力の違いが良い場所。

「ら、乱暴すぎるよっ…もっと丁、ね…丁寧、にしてっ……アはッ…!」

ゴシゴシ力強くしごかれて、雲雀はイヤイヤとかぶりを振る。
(いちいちうるさいなー…)

やわらかな太ももに集中したいのに、どうして素直に堪能させてくれないのだろうか。
あまりの苛立ちにツナは、雲雀自身を握り直して、更に猛烈な勢いで愛撫した。

「あぁあ!…ひ、っあ、…やだよっ…!」

びくびく肢体を痙攣させ、雲雀の太ももがツナのあたまを挟み込む。

(わ、これ…たまんないっ)
咬み殺されるのはごめんだが、この腿に締め殺されるのなら本望だ。

「アーっ!」
物凄い圧力をツナの頭部にかけながら、雲雀はやっとこさ昇天してくれた。

びちゃびちゃと先っぽから噴き出す白濁が、雲雀のシャツに飛び散る。

「、はぁ………こんな乱暴にイカされたのは初めてだよ…、見た目に反して随分野性的なんだね…」

(…………っ疲れた!)

「それより。君って、足フェチかい?」
「何を今更。…じゃ、俺、これで失礼しますね、ヒバリさん」

ソファーでぐったりしていた雲雀はツナのその言葉に眉を顰めた。
「ちょっと…、まさかこれで終わらせるつもりじゃないだろうね」
「え、ハイ!」
「ハイじゃない…きみは僕を馬鹿にしてるわけ?」

雲雀を馬鹿にするなんて、命がいくつあっても足りない。
ツナは大慌てで両手を振った。

「そんな滅相もないっ!今日やんなきゃいけない宿題思い出しただけです」
「沢田綱吉!」

不機嫌な雲雀の声を無視して、ツナは応接室を出た。
これ以上続けたら、恐怖の風紀委員長、雲雀恭弥に童貞を捧げることになってしまう。

男女区別なく足が大好きではあるが、ツナは性的な意味で言うと、普通に女の子が好きだ。
男同士のただれた関係にはあんまり目覚めたくない気がする。

(ヒバリさんはいろいろと面倒くさそうだからね)
どうせ、あのフニャフニャの状態では雲雀は追いかけて来れないだろう。

ツナは保健室に獄寺と山本を迎えに行くと、何事もなかったように家に帰った。





「クフフ…ようやく帰りましたね、ボンゴレ。今日こそ僕と契や…クア!?」

部屋で待機していた藍色のパイナップルを反射的にベッドに押し倒していた。

「どういうつもりです、ボンゴレ!?」
「骸じゃん、久しぶり…何しに来たの?」
「いや、可笑しくないですか?ベッドに押し倒してから挨拶とか人としてどうかしてるんじゃないですか、君」

(そうだ!骸がいた)
仲良しという訳では断じてないが。
気遣い症のツナが気軽に無理強いをできる相手が、自ら会いに来てくれた。

「や、やめなさっ…あ!」

黒曜中のズボンを強引に脱がし、骸の長い両脚をさらけ出させる。
病的に白い肌。
肉付きは薄いが、繊細な魅力のある脚だ。

「骸、足…!」
そう言って太ももにかじりつくツナに、骸は全身に悪寒が走った。
何やらとんでもない場所に自分から飛び込んでしまったのだ。

「最悪です、舐めるな変態っ」
「骸はチョコレート好きだよな」
「むぐッ……」

骸のチョコレート好きを誤解しているツナは、枕元に乱雑に置かれた漫画の上に偶然あった板チョコを骸の口に突っ込もうとした。

「ぼっ…僕は別にチョコレート中毒ではありません。チョコさえ口に詰め込んどけばいいんだろ的な扱いは心外です!」
「骸は黙って俺の言うこと聞いといていいんだよ…」

かたちの良い膝小僧にくちびるを押し付け、内部の骨に想いを馳せる。
雲雀とは違った魅力があって、なかなか捨てがたい。


「ク…っ、見てないで助けなさい雲雀恭弥!ボンゴレが故障しました!」

(!?)

ツナは自分の耳を疑った。
今、骸はなんと言った?


「沢田綱吉…」

「げ、幻覚…だよな、骸」
「信じがたいことに本物ですよ。彼は」夕焼け空を背負いゆらりと立つ雲雀は、確かにさっきまで太ももやらふくらはぎやらをツナに提供してくれた、あの雲雀だ。

が、かつてなく殺気走ったオーラに、ツナはぞくーッと寒気を感じた。

「…僕は焦らしプレイと放置プレイが大嫌いだ」

「けど、一番嫌いなのはね。裏切り行為だ」

かすかな笑みが、怖すぎる。
ツナが怯んだ隙に逃れようとした骸に、必死にしがみついた。

「ぼぼぼく関係ないじゃないですか、放してくださいボンゴレ」
「帰らないで帰らないで、むくろぉ」
骸に取り縋るツナの姿に、雲雀が漆黒を見開いた。

「パイナップルと、浮気するなんて…僕を、僕をたぶらかすなんて……」

(え、浮気?たぶらかす…?)
ツナには全て身に覚えのないことだった。
ツナはノン気だし、雲雀と付き合ったつもりもなければ骸と浮気したつもりもないのだから。

そもそも、いかにも遊び慣れている風に振る舞ってツナを誘ってきたのは、雲雀のほうなのに。


「僕の純情を弄んだ罪は重いよ……」

間近に立ちはだかる雲雀、の両脚、にツナは見惚れた。
黒い制服のズボンにあの色白美脚が包まれているのだ…、実感するとなんだか興奮してしまう。
雲雀の、血管すら薄く透けたやわやわの足裏が自分の頬を思い切り踏みにじってくれたらその快感は如何ばかりか。

「ふ、踏んで…踏んでくださいヒバリさんっ…………」

ツナの懇願の意味を、雲雀は理解したのだろうか?


「きもちわるい」
一言告げると、雲雀は足を某サッカー漫画の選手なみに後ろに振りかぶり、ツナを蹴り飛ばした。

「ひぎゃア!!」
小さなツナのからだは吹き飛び、壁にぶつかり、ズズズッと床に落ちる。

「よ、容赦ありませんね雲雀恭弥。もしもしボンゴレ、ボンゴレ、生きてますか?」
「踏んでって、言った、のに…………ガクッ、」


契約しにきたはずの骸は変わり果てたツナの無残な姿に思わず救急車の手配をしたと言う……



**
この後、なんとか一命を取り留め、病院で目覚めたツナは…

不思議なことに、足フェチではなくなっていたのだった。




「これからは、うなじの時代だよ!」


「くふぁっ、やめてくださいボンゴレ気持ちが悪い、」
「俺のうなじで良ければどうぞ、10代目!」
「ずりーのなー獄寺!ツナ、俺もー」


「また浮気とはいい度胸だね、沢田綱吉………咬み殺す………!」
「ひーーっ!?」



賑やかな、春の1日だった。




お わ り

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いろいろとやっちまったな!


2010.3.7 アマイヌ




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