ナイトメア
※つなよしもむくろもキャラ大崩壊
それはあまりに突然だった。
「ひぃいぃい!違いますっそれは僕によく似た鉄板ですぅ!」
泊まりに来た骸が、真夜中に叫びながら飛び起きたんだ。
……普通さ、かける言葉がないよな?
相手が骸だからもうこんな事でいちいち仰天はしてられないけどさ。
「むくろ?どうしたの」
「あうう…怖い夢をみてしまいました…」
「何、どんな夢?内容すごい気になるんだけど!!」
だって、骸によく似た鉄板て何なの?
俺は床に敷いた布団の上で座り込む骸を覗きこんだが…
「思い出させないでください。ああ、怖かった。恐ろしすぎてお漏らししたかと思いました」
骸はスン、と鼻を鳴らして格好の良い顔をクシャクシャに擦った。
起き抜けの骸は普段見るのと、ちょっと雰囲気が違う。
仕草とかが、案外可愛い。
「トイレ行く?ついてこうか?」
チビの扱いに慣れている俺は、まるで小さい子供にするように骸の頭を撫でた。
「綱吉くん、僕は子供じゃあありません。夜中にトイレなんか行きませんよ。それより、ギュッとして慰めてください」
「あはは…しようがないなぁ」
何だかんだ骸に甘いらしい俺。自分でも分からん。
抱き寄せた骸の指が俺の背中に触れると、Tシャツ越しにでも分かるくらい冷たかったから驚いた。
「よしよし、怖くない怖くない。次は良い夢見れるよ」
どんな夢に苦しめられたんだろう。
青ざめた骸のおでこには汗の玉が浮かび、月明かりに光ってる。
「……ぅう、頭が痛い、です…ナッポーのフサフサ部分があああ」
「嘘つくな。訳わからん。お前そこまで神経通ってんのか(だとしたらすげえ)」
「すみません…嘘ついたら綱吉くんもっと心配してくれるかと思いまして」
「もうしてるよ、お前の頭の心配なら」
「ひどいです…」
恨めしげに睨んでくるから、形のよい鼻先にキスしてやって。
もう一度ギュッとした。
「……起こして、ごめん、なさい。綱吉くん…」
「落ち着いた?ベッドで一緒に寝よっか」
狭いけど、ね?
「綱吉くんが僕にエッチな事してこないと誓うならば、お邪魔しまっ、ぐはァァアッ…痛いぃい…」
これには頭にくるだろ、普通。
なので容赦ない一撃を加えてやった。
なんなんだコイツは。
「するかンな事!!いきなり人を起こしといてその言い草かっ」
「嘘です冗談です、綱吉くぅん!」
フン!
調子に乗りやがって。
ほっといてやる!
ヤツに背中を向けると、慌てて布団に潜り込んできた。
骸は顔面を肩甲骨にぐりぐり押し付けてくる。
あの無駄に整った、街行く女の子を間違いなく十人中十人振り返らせる美貌を、惜しげもなく擦りつけてきてる。
俺は笑ってしまう。
優越感と、ほんの僅かな愛しさに。
言っとくけど、ほんのほんのちょっとだけの、だ。
「綱吉くん、間違えないでくださいね」
「何を」
「僕を、です」
「ん?」
「………」
なんの事を指してるのか骸が答えようとしないので、俺は少しばかり逡巡した後、
「間違えないよ、むくろ」
そう答えた。
「…綱吉くんが無事で何よりです…」
安心したように呟く声を最後に、俺と骸はようやく黙った。
やがて骸の身体の力が弛緩し、寝息が聞こえてきた頃。
俺には切ないような、不安なような、そんな感情が沸いてきて、胸に回された骸の手に自分の手を重ねた(今はすっかりぬくい)
骸がどこかに消えてしまわないように。
骸は、悪夢の内容だけを指して言ったんだろうか?
それともやはり、俺の知らない別の不安を見ているのか?
骸にはコイツにしか分からない難解な悲しみや孤独が溢れている気がする。
朝になって骸がいつも通りなら、それとなく聞いてみようか。
力になれないだろうか。
ああ。
結局眠れないのは俺だ。
こんなパイナポーに毒された馬鹿な俺だ。
『ああ、昨日の夢ですか?もう平気ですよ』
『夢の中で綱吉くんがね、素っ裸で、僕に抱きついてくるんですけど』
『なんとソレは僕そっくりの、ジュージューに熱された鉄板だったんです!!(敵マフィアの罠ですね、きっと!!)』
『なのに綱吉くんは僕と鉄板を間違えて抱きしめ続けているし…煙は凄いし肉が焦げた臭いはするし、ホントに、ホントにもう……地獄絵図でした。だからね、綱吉くん』
『鉄板なんかと僕を間違えないで、焼き焦げるような熱い抱擁は本物の僕相手にしてくださいね!…クフ、上手いこと言っちゃいましたかねぇ?』
お前って、ホントいろいろ総合的に…残念だよな…
つ、綱吉くぅん………
終
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訳分かんないですね。
何という自由奔放さ(悪い意味で)
頭の弱い風なつなむくが好きです。
逃げます!
ではっ!
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