01 天女さまと呼ばれた少女が、彼女の世界へ還ってから3日。学園の雰囲気は未だによくない。 「はぁ…」 それは元気が取り柄の事務員小松田でさえ、ため息を吐いてしまう程だった。 以前なら放課後には委員会活動の声が聞こえてきていた。それなのに今はどうだ。 誰1人外に出ておらず、まるで葬式の最中のように静かだった。 こんな時に、というかこの天女さまに悩まされてきた1ヶ月、ずっと小松田思っていたことがある。 それは、 「こんな時に彼がいたらなぁ」 ということ。彼の周りにはいつもたくさんの笑い声が響いて、皆笑顔ではしゃぎあっている。 彼は変わったお面をつけていて、その表情はうかがえないのだけれど。 そんな頼りになる学園が誇る学級委員長委員会委員長は、忍務のため丁度この1ヶ月間不在だった。 もうそろそろ帰ってくる頃だとは思うが、早く帰ってきてほしいという思いばかりがつのる。 「はぁ…」 小松田がもう一度ため息をついたその時、 「小松田さーん!」 待ち望んでいた声が聞こえてきたのだった。 [戻る] |