はじまり、はじまり 陽が昇り始めた空の下、学園への道を走る。 この分だと1時間後には着くだろう。学園に戻るのは1ヶ月ぶりだ。なにやら騒がしかったようだが、大丈夫だろうか? まぁ、優秀な同級たちと、自慢の後輩がいるから心配ないだろう。さらにあの先生たちもいる。 背中で忍務先の名物がはいった平包が揺れる。豆大福だが、それなりの数を買ったため重みがあった。 それよりも早くこの土産を後輩たちに渡したいし、おばちゃんのお握りを食べたい。 はやる気持ちを抑えて必死に足を動かす。 あぁ、学園の門が見えてきた。 ほうきでゴミを掃く音が聞こえる。小松田さんだろう。 おかえりと言ってくれるかな?言ってくれるはずだ。そしたら笑顔でただいまと言おう。 お面のせいで、顔は見えないけれど。 [*back] [戻る] |