恋愛模様
3
俺がバットと云うようなものに固執し始めたのもそのせいかもしれない。
罪悪感からか、忘れてはいけないと思っているから。
罪悪感、なんて軽いものではすまされない。
俺は、加害者だ。
「おぉ!ナイスだ、彼方!」
「つーか、それ、肌身離さず持ってろよ。授業中は流石にいいけど移動の時も」
「……分かってるって。俺がコイツを離すわけないじゃん」
「………………」
遥が引いていた。
うっさいわアホォ!!
バットは俺の永遠の恋人だぁ!!!!
でも、暗い顔をしてしまった俺に気を使ってわざと明るく言ってくれた遥には本当に助かった。
あのままだと完璧にシリアスモードに突入していそうだったし。
「ま、ともかく。何か有ったら言えよ?ソイツぶっ殺しに行くから。……兎に角ソレで殴っておけ」
はっ。俺とバットは一心同体!
何があっても離さねぇ!
あ!コイツに名前つけてやらないと!
何が良いかな……。
うーん。
「なぁなぁ、コイツの名前何が良いと思う?」
「……何でもいいと思うぞ?」
……考える気ないなこいつ。
もういいよ。遥なんて知らん!
「よし、じゃあシャルロットな」
「……何で外人なんだ?」
「外国製だからじゃないか?」
「可愛いなぁ、シャル〜」
「お前、アッチでそう云うこと言わない方が良いぜ」
「キモがられるぞ」
「むぅー……分かった」
納得いかないが自覚はあるので仕方なく了承する。
『バットが恋人とか寂しいヤツ』とか言うな。
「ま、何はともあれ。気を付けろよ。何日かに一回は電話よこせよ」
「おぅ!よし、じゃぁ今日は遊ぼうぜ!」
「ゲームしようぜ、ゲーム」
「確か、アレもうちょっとだったよな」
「彼方ー。持ってきてー」
「はいはい」
そんな感じで俺はダチに別れを告げた。
寂しい感じになってしまったらどうしようと心配だったがそんなことも無いようで安心した。
きっと、気を遣ってくれたんだろうな。
てかそうじゃなかったら悲し過ぎる。
みんな、良い奴等過ぎるよ。
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