恋愛模様



やっぱりあの時の俺に拒否権は無かったみたいだ。


「優の母ちゃん強いもんなー」
「あぁ。俺達が敵う筈ない」


おいおい……。
この2人にここまで言わせるなんて、母さん何者だよ。


「いや、でも優。お前ホントにムダに笑顔振りまくなよ?お前は平凡顔だが狙われやすそうだしな」


くっ……。彼方め!
お前は確かに美形だよ!!
そして俺は平凡だよ!


「つーか、狙われやすいってなんだよ」
「あ?そのまんまの意味だ」
「こいつが分かるわけ無いだろ」


ちょ、2人で勝手に話をしないで!!
俺には何のことだかさっぱり。


「……月城はホモの巣窟だから気を付けろって意味」


へぇー……。
ホモの巣窟……って


「はぁぁぁ!?」


ホモの巣窟ぅぅぅぅ?!
ホモォォぉ!?


「ホモってアレだよな!?あの、同じ男が好きな!!」
「うん」
「……あのババアァァ!!」


絶対このこと知ってて俺を入れたな!?
アイツが知らないわけが無い!!


「うーん……心配だなぁ」
「は?何言ってんの?」
「この!少しは緊張感持てよ」


えぇー……。
そんな理不尽な。


「あ、そうだ」
「どしたん?彼方」
「お前に護身用にこれを渡しておく」


そう言って渡されたものは









バット。


「おぉぉぉぉ……!!」


愛しのマイスイートハニー!!


「ちょ、彼方、人が死ぬぞ!!……いや、でも。優に手出した奴なんか……」


遥が何か言っているが俺の耳には何も入ってこなかった。


「彼方!!ありがとう!もう二度と会えないかと思ってた!」
「どういたしまして」


クスクスと笑う彼方はとても綺麗だった。
感謝感謝。


「それにしても皆酷いよなー。俺から愛しのバットを取り上げるなんて」
「それはお前が……」


2人は呆れた顔で俺の事を見てくる。
んだてめぇら……。


「相手が死なないように特注で少し柔らかくしておいたから安心しろ。まぁ、それで殴られたら普通に痛いけどな。……少なくともあの時みたいに血を見ることはない」


あの時……確かに俺の所為で辺りは血の海だった。





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