恋愛模様
友情ってイイよね!
前日、俺は親しかった友人に別れを告げに行った。
「はぁ!?ちょっと、それマジ??」
「……うん」
「だって、あの『月城学園』だぞ?!」
俺の友人の遥が大声で何か言って来る。
耳が痛いよ遥……。
「何、遥知ってんの?」
「当たり前だろ!この辺じゃ一番の進学校で金持ちのぼんぼんばっかで美形揃いだってんで有名なんだぞ!つーかお前知らなかったのかよ!?」
へー……。
物知りですね、遥サン。
「お前、あそこでやっていけんのかよ……」
はぁ、と溜め息をつかれてしまった。
「何とかなるって」
「はぁ……」
元気付けようと笑顔でそう言ってやったのにまた溜め息をつかれた。
……何故。
「優……学園では無闇に笑うな」
「何で?」
「良いから!!」
いや、笑っちゃいけないとかキツくね?
でも遥に怒られたくないのでとりあえず了解しておく。
「ん、ゴメンね遥。一緒の高校行こうって約束してたのに」
「大丈夫だ。……それに、優のせいじゃないだろ?」
「遥……っ!!」
美形の遥にそんな優しい笑顔で言われた。俺が女の子だったら惚れてるところだよ。
感動のあまり俺は思わず遥に抱き着いた。
「ちょっ、優?」
「遥、大好きだ!!」
「……俺も、好きだよ」
俺たちが甘いムード(?)を漂わせているとガチャ、と音がして飲み物を取りに行っていたこの部屋の住人の俺の幼馴染み、彼方が入ってきた。
「俺の部屋で何やってんだ」
「チッ……」
遥は彼方を見て舌打ちをし、俺から離れた。
……何でソコで舌打ちするんだ?
「で?その学園にはいつ行くんだよ」
「明日」
「明日ぁぁぁ?!」
「うん」
「何で……まだ春休みだろ?」
だよなぁー……。
しかし母さん命令なので逆らえない。
「何か寮には早めに入らないといけないみたい。これでも遅い方らしいよ」
「アレ?でも優、俺たちと同じ高校受験して受かってたよな?そっちはどうなったんだ?」
「あぁ……」
それは、母さんが勝手に取り消していた。
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