僕と愉快な仲間たち!8


「じゃあ19時になったら食堂行こう。煉も連れてもう一回ここに来てくれる?」
「ああ……」
「ほら、さっさと帰った帰った」
「…………」


とりあえず、帷と作戦を立てなければ。
そのためには大樹は邪魔。実行する本人てのは策を練る時いないほうがいいんだぜ。

大樹が帰ったのを確認するとキッチンへ行きコーヒーを入れ、帷の向かい側のソファーに座る。


「はい、コーヒー」
「サンキュ」
「それでね。大樹なんだけど」


具体的なことは悠人から情報を貰ってからでないとダメだけど、とりあえずこれから行く食堂で会長たちが来た場合の大樹の応対の仕方を考えた。


「やっぱりここは王道的に……!!」
「…………」


帷が黙って俺の話を聞いていた。
帷は俺が腐男子だという事をよく知っている。だてに1年間一緒に生活してないぜ。

最初こそオレに関わんじゃねぇみたいな一匹狼の雰囲気を醸し出していたがそれこそ俺の餌食。
俺を喜ばせるだけ喜ばせて終わった。今ではすっかりワンコなとばリン。


「悠人は頭いいから俺じゃなくて帷に話しかけると思うんだ。だからその時は頼んだよ」
「…………」


悠人は頭いいから、のトコロでまた機嫌の悪くなる帷。何、俺が悠人を褒めたのにムカついた?
あの時を思えばホントいつの間にこんなに懐かれちゃったんだろうねぇ。
仕方ないなあ。
じぃ、と見つめると帷も俺と目を合わせたが何故かそらされた。
……酷い。僕、傷ついちゃった。


「……?」


ソファーから立ち上がり帳の隣へと腰を下ろすと帷は困惑したような表情になった。


「帷。悠人のコト嫌いなの?」
「…………」


帷は俺から悠人の名前が出ると何時も不機嫌になる。
今だってほら、


「何で?」
「……お前に、近いからムカつく」
「はぁ?」


予想外な上に意味が分からない。
否、分かる事には分かるんだが―――。


「いい?よく聞いて」
「………………」
「確かに、悠人のコトは信頼してるし好きだよ」
「…………」


帷が眉を寄せ、更に不機嫌になった。
はいはい。不機嫌になるのはいいけどちゃんと続きも聞いてよね。





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