受け継いだ物』(小説)
「Metodo di cottura felice」 2/4
服を着替えて、歯を磨いて、髪もきちんと整えて。


おっと、忘れちゃいけない。


洗顔ついでにひげ剃りもね。


身支度を整えたら、さぁ、朝食を作らなくちゃあ。


今朝は何を作ろうか。


エスプレッソを淹れながら、冷蔵庫と話し合い。


玉ねぎセロリ、トマトとチーズ、パンチェッタにバジル……パプリカで彩りを添えて、ショートパスタかリゾットか――


考えながらの料理はとても楽しいのだけれど、ダメダメ、これじゃあいつになっても朝食にありつけない。


結局ショートパスタをチョイスした僕は、早速材料の下拵えに取り掛かる。


野菜は食感と栄養を損なわない程度に小さく切って、パンチェッタはよくダシが出るように少し小さめに。


鍋に水を入れて火に掛け、まずはパンチェッタから。


低温から沸騰させないようにゆっくりゆっくり時間をかけて。


野菜を入れたらパスタも入れて。


コーヒーを飲みながら一日の予定を考える。


映画でも観に行こうかと思ったけど、まだ見終わっていないDVDでも観ようかな。


さて、そんなこんなで茹で上がり。


仕上げにバジルを千切ってポイ。


あ、チーズ入れ忘れちゃった……けど、まぁいいか。


お皿に綺麗に盛り付けて、さぁ、今日も楽しい一日の始まりだ!

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