一方日本。
花京院もまた真っ暗になった―というか承太郎に真っ暗にされた―パソコンを前に、放心状態に陥っていた。
「ヒトを呼んどいて何してんだお前は」
呆れた顔で言い、承太郎はパソコンをたたむ。しかし花京院は糸が切れたマリオネットのように俯いて動かない。
「おい、花」
「……ド…………シュ」
「あ?」
「エメラルドスプラッシュ!!」
「なっ!?」
ハイエロファント・グリーンの手から高速でエメラルドが放たれる。いきなりの行動に驚きつつも、承太郎は咄嗟にスター・プラチナを呼び出し当たりそうなエメラルドを弾いた。
「何しやが」
「こっちの台詞だよ!!」
鬼気迫る表情で、花京院が顔をあげる。その形相に、承太郎は口を閉じてしまった。
「あともう一瞬待ってくれたら決着がついたのに!!折角久々に手応えのある相手に出会えたっていうのに……それを承太郎、君は!!」
「な、何だよ」
「よりによってあんなタイミングで……ああどうしよう、絶対イルーゾォさんは怒ってるに違いない。もう対戦なんかしてくれないに決まってる……」
目に涙を浮かべ、花京院は膝を抱える。
流石に何か言ってやらないといけないことは承太郎にも分かった。
花京院の肩を叩き、顔を覗きこんで、精一杯の優しい声で言ってやる。
「元気出せよ。向こうも同じように電源落としたかもしれねぇだろ」
「そんなわけないだろう!!」
実はそんなわけがあったりするのだが、花京院もイルーゾォも、そのことを知る吉はなかった。
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