特大の欠伸は途中で止まってしまった。
目を見開く僕。
吹き荒ぶ風。
足元に転がる人。
さて、何が起きたのやら。
実にミステリー!
寝起きの僕の頭じゃあ、うまいこと考えが纏まりそうにない。
とりあえず、この人はどうしたんだろう……?
具合でも悪いんだろうか?
それとも酔っ払いとか?
いや――酔っ払いじゃあなさそうだ。
よくよく顔を覗き込めば、その顔色はすこぶる悪い。
大丈夫か、この人……?
(救急車を呼ぶ?いや、警察?う〜ん、何にもされてないしなぁ……)
しばしの沈黙を、冷たい風が切り刻んでいく。
「も、もしもォ〜し……?」
恐る恐る声をかけたが返事は無い。
トントン、と、肩を叩いてみても、驚く程の無反応。
さて。
(参ったなァ……)
今日は久々に出掛けてみようかと思ってたんだけど。
仕方ない。
(僕もほとほと呆れたお人好しだな。)
玄関先に僕を待ちかねた牛乳を置き去りに、僕は自分より随分大きな身体をよいこらしょと抱きかかえた。
朝と共に迎えた、僕と彼の奇妙な出会い。
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