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七夕 /水原すい様(1827)



「雲雀さんは願い事ないんですか?」



《七夕》



例によって窓から入ってきた雲雀に今更驚く事もなく綱吉は招き入れた。
雲雀はと言うと、ガラステーブルに向かっていた綱吉を見て「ワオ、珍しく宿題でもしてるのかい?」と言い、覗くとそうではなく、小さな紙に何かを書いていた。
「いえ、あの、七夕の願い事なんです」
苦笑いしながら答える。
「ふーん」
そしていくつか願いが書かれた短冊の一つをつまみ上げる。


「『テストでいい点とれますように』」
「わわっ、声に出して読まないでください」
立っているからというより、そもそも雲雀の手から何かを奪うなんて事は誰にも不可能な事だから(リボーンなら出来るかもしれないけど)せめてもの意思表示をする。


「残念だけどこれは叶わないよ。一生」
はっきり告げられて綱吉はショックを受ける。
そんな綱吉を他所に雲雀は他の短冊も見る。


見終わるとまたもやはっきりと告げる。
「他の願いも無理だね」
まさかの全否定に泣きたくなったがそれとは別に怒りも湧く。
「オレはいいですけどチビ達のまで否定しないでください」
そう、テーブルにある短冊は綱吉のだけでなくランボやイーピンのもある。
いくら雲雀でも小さい子の願いまで否定する権利はない。


怒気が込められた声に対し雲雀は言う。
「七夕の本当の意味知ってるの?」
「え、願い事を書いた短冊を笹につるすんじゃないんですか?」
「違うよ」
すると雲雀は話始めた。


本来、機織りをしていた織姫と牛飼いの彦星は仕事熱心だったが、二人が結婚すると仕事を疎かにするようになり、これを知った天帝は怒り、二人を引き離した。だが、仕事をきちんとすれば一年に一度、会える事にした。


「これにあやかって七夕の願いは縫い物の上達や、牛飼いはなんだったかな…。とにかくそういった類の願いをするんだよ」
「はあ…」
話を聞いているうちに怒りはすっかり消え失せ、代わりに勉強をしている気になった。


「だからここにある願い事は…。叶うのは低いよ」
先程の綱吉を見てまた哀しませるのは、と思い少し言葉を選んで告げた。
すると俯いていた綱吉が口を開いた。
「…元々はそうかもしれないし、書いたところで叶わないってわかっていても、それでもやっぱり皆は願い事を書くんだと思います」
「僕もそう思うよ」
あっさり言ったその一言にばっと顔を上げる。
「え、あの、雲雀さん?」今度はまさかの肯定に目を見開いて雲雀を見る。


「由来も知らずに願うだけなんて図々しいって話。それに一つお利口になったでしょ?」
ニヤリと笑い、外を見る。
「そろそろこの日に浮かれている群れを咬み殺してこようか」
一人言の様に言い窓に向かう。
窓枠に手を添えたその時だった。


「雲雀さんは願い事ないんですか?」


すると振り返りこう言った。
「言えば叶えてくれるの?」
「オレがですか?」
「君にしか叶えられないからね」
雲雀はそれだけ言って、窓から帰っていった。










《反省する会》
突発で出来た話なので表現がいつも以上に不足しててすみません。綱吉のモノローグがほとんどないせいか雲ツナというより雲→ツナみたいになりました。いや、いっそそれで(笑)

七夕の話は大筋です。(だから彦星にあやかった願い事を私自身が忘れて雲雀にも「なんだったかな」ですませました・笑)

雲雀の「願い事」は皆様のご自由に。

読んでいただきましてありがとうございました。
(水原すい)


†††††††††††

水原すいさまよりいただきました、1827?雲→ツナな七夕ss!

本当は当日貰っていたのですが、許可をいただいてのupでしたので、一日遅くなってしまいました(>_<)すみません!

もう戴いた瞬間瑞樹と連絡を取る(笑)
すい様マジックで、桜井と友人の瑞樹のサイトにそれぞれ違う七夕ssを貰ったので、そちらもupされましたら見に行ってみてくださいね!私もまだ見れてません(笑)

もう雲雀さんの綱吉にしか叶えられない願い事なんて一つだけ………

「僕のものになりなよ」

幸せすぎます!気持ちに疎いツナは、まさか咬み殺させろ?いやいやサンドバッグになれ?なんて色々考えちゃって、オロオロしてたら可愛いと思います!

本当毎回ツボるssありがとうございます(^0^)/

幸せな七夕ssでした!





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あきゅろす。
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