[携帯モード] [URL送信]
花の香 /水原すい様(注*獄×女ツナです)

--------------

!最終警告!
綾さんに注意を入れていただきましたがツナが女の子です。

一人称は「オレ」です。

言葉遣いもちょっと女の子してます。

それでも大丈夫という方だけLet's スクロール。
































《花の香》



ふわり、と甘い匂いが漂う。


ガチャッという音の後に玄関の扉が開き、10代目が足早で門まで来る。
今日もお可愛らしい。
「おはよう獄寺くん」
にこにこと挨拶をしてくださる10代目にオレも「おはようございます」と返す。


並んで登校はいつもの事だけど今日はちょっと違う。何が、とはわからないけどとにかく違う。気付いたのはオレだけだろう、10代目は話し続ける。
「昨日の夕飯の時にランボがね…」


ふわり


10代目の方から香りがした。
しかし香水の類は持ってないはずだから風に乗って何処かから漂ってきたのだろうと判断する。




昼休み。オレと10代目と山本はあまり人の来ない踊り場で昼食をとることにした。
オレの食生活を心配してくださったお母様がオレの分もとご用意してくれた弁当をいただく。


半分を食べたところだった。
「山本ーどこだー、いるかー!?」
という声が下から聞こえた。
「やべ、忘れてた!」
ミーティングがあったと残りを急いで掻き込み、行ってくるのな、と言ってここから去った。


「間に合うといいね」
「そっスね」
見送ったあと、こちらを振り返った。
「さ、残り食べようか」
弁当箱を持ち直し再び食べ始めた。


ふわり


またもや匂いがした。
花もないのに匂うのは流石におかしい。
これは10代目から漂ってきたのだと判断した。


「10代目」
「何?獄寺くん。どこか具合でも悪いの?」
心配そうなお顔でそう言ってオレも10代目も弁当箱を置く。
「具合は悪くないです。失礼します」
細い肩を掴み首筋に顔を近付ける。


「な、な、何?」
オレの行動に驚いた10代目は身体を硬直させた。
だけど構わず匂いを嗅ぐ。
すると朝から漂ってきた匂いがした。
「香水じゃないですよね」
耳元で囁く様に言う。
そう、これは人工的に作られた複雑な匂いではなく、花だとわかるものだった。
「つけてないよ、っていうか持ってないし」
少し声が震えている。
「じゃあ、何処で…」
「あ、あのね、お隣からはみ出したジャスミンをそのままお裾分けとして貰ったんだ。だけど結構量があって、飾る場所もチビ達がいるから適当にその辺りって出来なくて、だからオレの部屋にも置かれたんだ」
そして匂いが強いジャスミンは干されている制服にも移ったのだろう。


「そうでしたか」
ようやく合点がいって顔を引く。お顔を見ると頬を朱に染め上げ目を瞑ってらっしゃる。左手はいつの間にかオレの制服を掴んでいて何かに耐えている様だった。
多分オレが何かをしようと考えたのだろう。だけど何もしてこないのだと判断した10代目はおそるおそる目を開く。


その耐える様な仕種もほっと息を洩らし目を開く仕種もオレには堪らず、考えるよりも速く口唇を塞いだ。


キスをする傍らで片手は太腿に手を伸ばす。
ピクリと身動きして息が漏れる。
「ん……」
その吐息に駆り立てられて更に腿を撫で上げていく。


今度はビクリとして口唇を離す。
「ダメ、だよ」
オレを制止させようとするが赤い頬に、うっすらと涙目になって困った様なお顔で言われてもいまいち説得力がない。
「そんな表情で甘い匂いを纏わせて誘っているのは貴女です」
もう一度キスしようとする。
「さ、そってなんかない!」
パシンと顔面をはたかれる。
「何盛ってんの!?ここ学校だよ!昼休みだよ!誰か通るかもしれないんだよ!!」


忘れていたわけではない。ただ場所とかそんなの関係なく貴女に触れたいと思ったのだ。勿論セーブはするつもりではいたけど、その前に制された。


これ以上貴女を困らせたくないから謝る。
「すみません」
「……」
頭を下げたが何も返って来ないから顔を上げる。
「10代目?」
「あ、あのね、キスも触れられるのも嫌じゃないんだよ」
「はい」
「だけど今みたいに学校とかだったらせめて言ってほしいんだ」
「はい」
「わかったなら今度同じ事したら…、うーん、三日間触るの禁止」
「はい。…三日間、ですか?」


微妙な期限に?が浮かんだ。
「オ、オレが我慢出来ないかもしれないから。って何言わすの!?」
今日一番、顔を赤くしてノリツッコミの様な答えをする10代目。
でも、10代目も我慢が出来ないならば断りをいれて触る方がよっぽどいい。
「わかりました。仰せの通りにいたしましょう」




それから一週間が過ぎた。

「おはよう獄寺くん」
いつもの朝、いつもの挨拶をして揃って登校する。


花はすっかり香りを失い漂う事もなくなった。代わりに様々な色彩の花がそこかしこに咲いている。


ふわり


ないはずの香りが漂ってくる。


「10代目」
「何?」
「失礼します」
そう言って一週間前と同様に肩を掴み首筋に顔を近付ける。
もう制服からも香りが漂うことはない。
だけど確かに香りはする。


「まだ匂う?染み着いちゃったかな」
オレの耳元でそう尋ねてくる10代目。
甘い声とないはずの甘い香りに一瞬理性が飛ぶ。


「いいえ、勘違いでした」
離れながら答える。
「お止めしてすみませんでした。行きましょうか」
そしてオレと10代目は再び学校へ向かうべく並んで歩き始めた。




そう、花の香りはしない。だけど、「何の」甘い香りに誘われているか貴女は判らないだろう。










《反省文》
家にジャスミンが飾ってあって、その強い香りから思い付いた話です。ですが、香りって女の子の特権じゃない?(偏見?)と思い、だったらにょツナにしてみたらどうだろうと。すると制服のスカートから伸びた太腿を撫でるシチュエーションが思い浮かびました。

ツナが女の子なのでイタリア男の獄寺は大事にしてます。(男の子でも大事にしてますがもっと別の意味で、です)

似た様な内容で普通(笑)の獄ツナをRe:tiamo様に献上していたりします(笑)間違い探しをしてみてくださいませ(笑)


読んでいただきましてありがとうございました。
(水原すい)


***********

すい様よりいただきましたー!ツナちゃんと獄寺くんです!

も、首筋の匂いを嗅ぐ獄とか太腿に指を這わせたりとか、エロ過ぎます(笑)エロいのに可愛いのは獄キュンがツナちゃんを大事にしてるからなんですねすいさん!

ちゃんと理性がある獄が男前!

結婚式には是非読んでくださいお二人さん(^0^)/

可愛いくもHなお話ありがとうございました〜〜!
桜井綾


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!