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雪 /Re: tiamo 瑞樹様(1827)


雪が降った。

一面、白くて眩しい。
既に庭ではランボとイーピンが歓声を上げて遊んでいる。
遅れて起きた俺はまだぼんやりする頭で今日は学校だったな、と思う。

こんな雪の中、行きたくないな…。

携帯が鳴る。
『今日は少し早めにお迎えに行きます』
獄寺君からのメールだ。
いつも頼んでる訳じゃないけど、しっかり迎えに来てくれる。裏では絶対リボーンが遅刻させるな、とか何とか言ってる筈だ。
少々部屋でぼんやりしていると唐突に窓が開いた。寒っ、と思ったのも束の間…

「やぁ、起きてたの?」

冷たい外気と共に雲雀さんが舞い込んで来た。

…ぇ。…ぇええ!?

寒さのせいか少々赤みを帯びた端正な顔が微笑んでいた。

「ほら、早く着替えなよ」

仁王立ちして当然のように言い放たれた。

「は、はいぃっ」

色々言いたい事はあるけれど、有無を言わせないその態度に俺の脳は何も考えられず、従う事しか出来なかった。
支度している間、部屋中を物色している雲雀さんが何か言い出すんじゃないかと思ったが、言ったのは「教科書綺麗だね」だけだった。
…まぁ、あまり開かないものですカラ…

「…出来た?」

「はい。」

俺の動きが緩慢になったのを察したのだ。
赤ん坊から預かったよ、と俺の靴を出される。
リボーンも絡んでるのか…
何て用意周到な…

「じゃ、行こう」

ヒュ、と腕を引っ張られたと思ったら、窓からダイブ。

「ぅ、あーっ!ギャー!」

盛大且つ情けない声を上げて、気付いた時には着地していた。

「…叫んでると口の中、怪我するよ」

先に言って下さい…否、窓から飛ばないで下さいぃ!
俺の体は雲雀さんのおかげで怪我はしなかったものの、地面に平伏した状態で固まっていた。
が、内心は大絶叫だった。
何て無茶なんだ、この人!

でも、気を取り直して立ち上がって見た先には…

雪を蹴りながら歩く雲雀さん。いつもよりちょっと…楽しそう?

「雲雀さんっ」

恐る恐るながら早足で近づいたら、転びそうになって思わず抱きついた。

「…あ、スイマセ…」

「ははっ、ちゃんと歩かないと転ぶよ」

凄い笑顔で言われた。
こんな上機嫌の雲雀さんって反則じゃないだろうか。
通学の最中、今日はどうしてウチに来たのかを聞いても、気が向いたから、としか答えてくれなかった。
それでもこんな雲雀さんと登校出来るなら、雪の日も悪くない。


―おまけ―

「十代目ぇぇぇ!」

少し遅れて登校して来た獄寺君が教室に入って来た途端叫んだ一言。
わ、しまった。と思ったが…

「お怪我はございませんか?ったく、雲雀の野郎!」

と言いつつ、いつもより髪は乱れ、制服も濡れている。

「獄寺君こそ、凄い濡れてるよ!」

「滑って転んじまいました!御心配には及びません!」

と快活に笑う。
俺は君のおかげで笑顔になれるよ。
だから教室中に

「見てんじゃねぇよ!」

って威嚇するのはやめてくれないか…あはは…


終。




雪が降って、妄想も降臨しました。
実はちょっと浮かれ気味の雲雀さんとか如何でしょうか。いつもツンツンなのでたまにはデレて貰おう、と(笑)

そんな雪の日、でした。
お粗末様でございました。



†††††††††††

Re: ti amo の瑞樹様より頂きました!
朝雪が積もっていて、テンション高くメールした所、こんな素敵文が届きました。

いつも構って貰ってすみません……

そんな風に笑われたらツナもときめいちゃいますよ!

窓は雲雀さんの玄関です(笑)颯爽と現れ颯爽と消える…
本当雪っておいしいなあ……
素敵な1827文ありがとうございました!

獄寺くんファイト!(笑)





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